遺言書に書いた後も財産は自由に処分できるのか?
こういった疑問を持たれる方も少なくないと思います。実際に私も行政書士として遺言の相談を受けた時に、上記のような質問をされることがあります。
今回は、遺言にまつわる疑問に答えていきます。
上記のような疑問は、遺言作成をためらう理由のひとつになっていますので、同じような疑問を持たれている方はぜひ読んでみてください。
遺言書に書いた後も財産は自由に処分できるのか?
財産は、遺言書に書いた後も自由に処分できます。
たまに、遺言書に一度書いてしまったら「処分してはいけない」「なんらかの手続きが必要になる」などの勘違いをしている方がいますが、そんなことはないです。
財産は遺言書に書いた通りの形で残さなければいけないものではありません。遺言内容を気にすることなく、必要に応じて自由に処分できます。
例えば
土地と建物があったとして、土地を長女に、建物を二男に相続させる内容の遺言を書いたとしても、土地も建物も自由に売却することができます。
売却してしまった財産がそのまま遺言書に残っていても問題ありません。
相続人の許可
財産を処分するにあたって、遺言書に書かれている相続人の許可が必要か?
そんなものは必要ありません。
許可なく自由に売却できますし、そのことを話す必要もありません。たとえ相続人のうち一人だけ、その行為によってもらうべき財産がなくなってしまうとしても関係ありません。
遺言の内容と抵触する行為の扱い

遺言書の内容に抵触する行為は有効にすることができます。遺言者が、遺言の内容と抵触する行為をした場合、その部分についての遺言は撤回したものとみなされます。
相続発生時に無い財産
遺言書に書いてある財産が、相続が発生した時に無くなっていた場合どうなるのか?
これは、無いものとして扱われます。
無いものは無いのですから当然ですよね。
相続が発生する前に財産を売却していたとしても、相続発生後に遺言書に書かれていることを理由に「売買は無効」なんてことにはなりません。
遺言書の効力は死亡した時から発生する
遺言書は被相続人が死亡した時から効力が発生します。
これは、法律で定められています。
なので、今回ご紹介したような遺言に抵触する行為が認められるのです。
効力が発生していないものに、縛られることは無いですからね。
まとめ
今回は、遺言に関する疑問について解説しました。
本記事のような理由で悩み、遺言作成をためらっている方は、安心して作成して欲しいと思います。遺言は、必ずご自身や残される家族の為になります。