【相続】遺言者の意思が尊重されない?【遺留分・遺言の方式】

相続・遺言

遺言は、被相続人(亡くなった人)の最後の意思ではありますが、遺言すれば何でも認められ実現されるわけではありません。

今回は、遺言者の意思が尊重されないケースについてです。
遺言書の作成を考えている方の参考になれば幸いです。

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遺言者の意思が尊重されない場合もある

遺言者の意思が尊重されないケースとして、今回は次の2つをご紹介します。

  • 遺留分
  • 遺言の方式

それぞれ説明していきます。

遺留分

遺言では、自分の財産の処分を自由に決めることができます。
ただし例外があって、法律上の規定に反する場合は認められません。

そのひとつが「遺留分」です。相続人となれるべき者の一部には、遺留分という権利が認められていて、相続財産から一定の割合を受け取る権利があります。

例えば、全財産を一人に相続させたくて「次男の〇〇に全財産を相続させる」という遺言書を残したとしても、他の相続人がこれに納得できなければ、次男は全財産を相続することが実質的に難しくなります。

遺留分を侵害された相続人が、次男に対して一定の割合の財産の返還を請求することができるからです。

遺言の方式

遺言は、定められた方法で作成する必要があります。

定められた方法で作成しないと、遺言者の死後に効力が発生せず、遺言者の最後の意思が尊重されない結果となります。

本人が遺言書のつもりで書いたものであっても無効となってしまいます。

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遺言書の方式を法律で定めている理由

日本では、遺言書の方式を法律で定めています。

理由としては、死後に残された遺言書が、本当に本人が作成したものなのかを明確にするためです。

遺言書の方式を法律で定めず、独自の方式を認めてしまうと、死後に本人が作成したものなのか確認がとれなくなってしまいます。

遺言書の方式としては、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言、その他、特別方式によるものがありますが、そのどれかで作成しないとダメです。

遺言書に「家族仲良く」と書いた場合、有効?無効?

遺言書は法律で定められた方法で作成する必要がありますが、何を書くかは基本的に遺言者の自由です。

その場合、遺言書に「家族仲良くして欲しい」と書いたらどうなるのか?
残された家族は、遺言だからと強制的に仲良くしなければならないのか?

法律効果が発生する遺言の内容は法律で決まっている

遺言書に何を書くのも自由ですが、法律効果が発生する遺言の内容は民法で決まっています。

なので、遺言書に「家族仲良くして欲しい」と書いてあっても、法律上従う規定がないので無意味なものとなります。

残された家族に思いを伝えること自体は、遺言書に書いて問題ないですが、法律で定められていること以外のことを書いても、その意思が尊重されるかどうかは相続人しだいになります。

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