公正証書で遺言を作成されている方も多いと思います。
今ある遺言方式で、最も遺言内容が実現される可能性が高いですからね。
今回は、その「公正証書遺言」についての疑問について説明していきます。
「遺言者が亡くなると公証役場から通知が届くのか?」についてです。
勘違いされている方も多いので、公証役場で遺言書を作成された方も読んでみてください。それでは説明していきます。
遺言者が亡くなると公証役場から通知が届くのか?
結論を言ってしまうと、公正証書遺言を作成しても、遺言者の死後に遺言執行者等へ通知が届くといったことはありません。通知が届くと思っている人が意外と多いのですが、残念ながら公証役場はそこまでしてくれません。
なので、公正証書遺言を作成した場合は、死後に遺言の存在を分かるようにしておく必要があります。そうしないと遺言内容が実現される可能性が下がりますからね。
公正証書遺言の保管方法は?
ちなみに、公正証書遺言を作成すると次のように保管されることになります。
- 原本は公証役場で保管
- 正本と謄本は遺言者が保管
遺言を執行するにあたっては、正本と謄本のどちらでも可能です。
遺言者が両方を持っていても仕方がないので、片方を遺言執行者等へ渡しておきます。一般的には、遺言者が謄本、遺言執行者が正本を保管する場合が多いです。
公正証書遺言を無駄にしないためには?

先ほども言った通り、遺言者が亡くなった時に遺言の存在を分かるようにすることが必要です。
謄本を遺言者本人が保管して、正本は遺言者が亡くなった場合に備えて、その事実をすぐに知ることができる信頼できる人に保管してもらいます。
例えば、
- 遺言執行者
- 遺言で財産を多く取得することになる人
こういった人に公正証書遺言の正本を保管してもらえば、遺言者が亡くなった後に、公正証書遺言の存在がすぐに分かるので無用な相続トラブルを防止することができます。
せっかく時間や手間、費用をかけて公正証書遺言を作成したのですから、保管に関することまで注意しておきたいところです。
公正証書遺言はいつから効力が発生するのか?
たまに聞かれる質問なので、一緒に説明します。
公正証書遺言は「遺言者が死亡した時」に効力が発生します。
遺言書を書いた時に、効力が発生すると思っている人もいますがそんなことはありません。法律で定められているどの遺言方式で作成したとしても、効力が発生するのは遺言者の死亡した時となっています。
こういった勘違いから、遺言作成に消極的な方もいますが、そんなことはないので安心してください。遺言書を書いたからといって、すぐに効力は発生しません。
◇財産は自由に処分
遺言の効力の発生が「遺言者の死亡から」ですので、それまでは遺言書に書いた財産(不動産・預貯金など)でも自由に処分することができます。
相続発生時に、遺言書に書いた財産が無くなっていたとしても、それ以外に書いた部分が無効になるわけではないので安心してください。
ちなみに、遺言書に書いた内容を撤回するのも自由です。