【一般危急時遺言とは?】作成方法と注意点~家庭裁判所の確認・検認

法律(民法)で定められている遺言の方式には、普通方式と特別方式があります。そして特別方式は、危急時遺言と隔絶地遺言に分けれていて、さらに危急時遺言は、一般危急時遺言と難船危急時遺言に分かれています。

今回は特別方式の「一般危急時遺言」について解説します。

聞くところによると、あまり利用されることのない特別方式ですが、その中でも最も事例が多いのが一般危急時遺言だそうです。知っていて損はないので、存在だけでも覚えていただければ幸いです。

ちなみに、普通方式については、「ひろらんぷ」でもたびたび取り上げていますので、興味のある方は過去記事を読んでみてください。

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一般危急時遺言とは?

このブログでも初めて取り上げますが、一般危急時遺言とは遺言者が危急時、つまり危篤状態の時に作成することができる遺言のことです。

どのような状態が危急時にあたるかは、一般的に死期が近いと判断できれば良く、事故や疾病などの事情が想定されます。

後ほど詳しく説明しますが、遺言者は口頭で遺言内容を伝える必要があるので、死期が迫っているとはいっても、意識がはっきりしていないとこの遺言方式を利用できません。

特別方式の中で最も事例が多いそうですが、利用するのはかなり難しそうですよね。
行政書士である私も、これまで作成したことはありません。

遺言者にしても、そのまわりにいる人でも、この遺言方式のことを知っていないと専門家に依頼するのが難しいでしょうし、その状態で遺言について冷静に考えるのも大変そうです。

一般危急時遺言の作成方法と注意点

一般危急時遺言は次の順序で作成します。

  1. 遺言者が口頭で遺言内容を伝える
  2. 証人のうち1人が遺言内容を筆記する
  3. 遺言内容を読み聞かせて署名押印する

それぞれ詳しく説明していきます。

遺言者が口頭で遺言内容を伝える

まず、この遺言の方式を利用するには、3人以上の証人が必要です。
一般危急時遺言作成にあたり、立ち会ってもらいます。

そして、その証人の一人に遺言者が口頭で遺言内容を伝えます。

先ほども言いましたが、遺言者が遺言内容を証人に伝える必要があるので、遺言者の意識がはっきりしていることが必要です。

「口頭」と書きましたが、口がきけない場合は通訳、耳が聞こえない場合には筆記などを利用することによって、一般危急時遺言を作成することも可能です。

証人のうち1人が遺言内容を筆記する

遺言内容を伝えられた証人は、それを筆記します。
紙に書いても良いですし、パソコンで作成しても問題ありません。

遺言内容を読み聞かせて署名押印する

筆記をした証人は、その内容を遺言者と残り2人の証人に読み聞かせます。
その内容に間違いがなければ、証人3人が署名押印をします。

遺言者の署名押印は必要ありません。意識がはっきりしているとはいっても、危篤状態なわけですから署名押印は困難です。

一般危急時遺言は家庭裁判所で確認・検認が必要

上記の方法で作成した一般危急時遺言は、そのままの状態で放置してしまうと無効になってしまうので注意が必要です。

遺言作成後20日以内に、遺言者の住所地の家庭裁判所へ確認の請求をしましょう。届けるのは相続人や受遺者などの利害関係人や立ち会った証人です。

公正証書遺言以外の遺言方式を利用すると「検認」が必要となります。
特別方式である一般危急時遺言も、例外ではなく家庭裁判所の検認が必要です。

ちなみに、ここでは記載を省略しますが、遺言書の写しや住民票など、確認の請求をするにあたり添付書類がいろいろと必要となるので、早めに手続きすることをおすすめします。

一般危急時遺言が無効になる場合

一般危急時遺言を作成しても、無効となることがあります。
証人が足りないなど、作成上の問題を別にすると次の場合があります。

  • 作成後20日を超えても家庭裁判所に遺言を届けなかった場合
  • 遺言者が回復して一定期間経過した場合

作成後20日を超えても家庭裁判所に遺言を届けなかった

一般危急時遺言を作成後20日以内に家庭裁判所に届けるのが、成立の条件になっているため、届け出なかった場合は無効となってしまいます。

遺言者が回復して一定期間経過した時

危篤状態だった遺言者が回復して普通方式の遺言を作成できる時は、その時から6ヵ月間経過して、なお遺言者が生きている場合、作成した一般危急時遺言は無効となります。

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