【解説】遺言書と遺書の違いとは?【法的効果を伴うのはどちらか】

こんにちは、ひろです。

先日、お客さんからこんな質問をされました。

「遺言書と遺書は違うものなんですか?」

遺言書と似た感じの言葉に「遺書」というものがあります。
どちらも死後に残すものではありますが、この2つは違うものです。

どう違うのか説明していきます。

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遺言書と遺書の違いとは?

遺言書と遺書を同じものだと思っている人は意外と多いです。
この2つを同じものだと考えてしまうと、ある問題が起こります。

それぞれの特徴と、その問題点を説明していきます。

遺言書とは?

民法という法律で定められている法的効力をもった文書です。

何を書いても効力が認められるという訳ではなく、法律が定める遺言事項についてのみ効力が認められます。無視して色々なことを書いても無効になります。

いくら遺言とはいえ、自由に書いたこと全てに法的効果を与えてしまっては、残された家族が大変なことになってしまいますからね。限定的です。

遺言書は、主に死後の財産分与や権利変動について書きます。

ちなみに、遺言書に法律で定める遺言事項以外のこと書いても、その部分だけが無効になるだけで遺言自体が無効になるわけではありません。

遺言(ゆいごん)と遺言(いごん)の違い

このブログでも、たびたび取り上げている「遺言」ですが、「ゆいごん」とも「いごん」とも読みます。同じ漢字ではありますが、意味が2つあります。

「ゆいごん」は残される人への言葉など広く使われているのに対して、「いごん」は、法律上の言葉です。法的な効力を発生させるものです。

弁護士や司法書士、行政書士などの専門家に対しては、どちらの言葉を使っても意味は通じます。

遺書とは?

遺書は、死後に残される人のために書いた手紙や文章のことです。
一般的には、自殺など死期が近い人が書きます。

遺言と違って法的効果を伴わないので、書き方に決まりもなく何でも自由に残すことができます。残され人へのお礼やお願いなど何を書いても問題ありません。

遺言のように財産分与について書くという人はほとんどいません。

遺言書と遺書を同じものだと思っていると…

先ほど言った、遺言書と遺書を同じに考えてしまうことで起こる問題とは、「遺言書を書くように言えない」「遺言書を書かない」ということです。

遺言書を、遺書にように死期が近いものとして考えてしまうと、親に「遺言書を書いて」とは言いにくくなりますし、逆に親も「縁起が悪いことを言うな」と遺言書を書くことを否定します。

遺言書を書くことは縁起が悪いことではないですし、死期が近くなくても書いたほうがいいものです。

エンディングノートについて

遺言書と似たよう感じのものに「エンディングノート」があります。
最近は、書店でも販売されていますし、仕事の関係で入会している団体等が無料で配布しているなんてこともあります。

このエンディングノートですが、書いた人の思いを残された家族などに対して伝えるのには非常に有効な方法ですが、遺書同様、法的効力はありません。

遺言の方式について

遺言には普通方式と特別方式があって、一般的に多いのが普通方式の「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」です。

遺言の普通方式と特別方式

◆遺言の普通方式
自筆証書遺言
公正証書遺言
秘密証書遺言

◆遺言の特別方式
危急時遺言
隔絶地遺言

自筆証書遺言については次の記事を書いています。
民法改正によって、自筆証書遺言の方式が緩和され、手書き以外の財産目録が認めらえるようになりました。また、自筆証書遺言の保管制度などが創設されました。

【遺言の方式】自筆証書遺言のメリット・デメリットを分かりやすく解説

遺言の専門家に相談する

遺言書を作成する際は、弁護士や行政書士などの「遺言書の専門家」に相談することをおすすめします。

  • 自筆証書遺言と公正証書遺言のどちらで作成したほうがいいのか?
  • 遺言書が無効にならないようにするには、どう作成したらいいのか?

遺言書を中途半端な知識で作成しても、無効になる可能性があります。

私も行政書士になってから驚きましたが、遺言書の作成は意外と奥が深いです。
最適なものを作成するには、それなりの知識が必要になります。

最近では、弁護士も行政書士も「相続の無料相談会」などを開催しています。
まずは、そいういった無料のものを利用してみるのもいいと思います。

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