今回は「検認」についてです。
- どういった場合に検認が必要になるのか?
- 検認は何のためにするのか?
- 検認の手続きに必要な書類
といった疑問について書いていくほか、「検認の手続きをした遺言書の有効・無効」についても説明していきます。
どういった場合に検認が必要になるのか?
検認が必要となるのは、「公証役場で作成される公正証書遺言」や「遺言書保管所に保管されれる遺言書」以外の遺言書がある場合です。
そういった遺言書は、家庭裁判所で検認の手続きをしないと遺産分割で使うことができませんので、保管していたり、発見したりした人は、遺言者の死後、家庭裁判所へ遺言書を提出して検認の手続きをする必要があります。
提出・申請する家庭裁判所は、遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。
検認は何のためにする必要があるのか?
家庭裁判所で検認をする理由は次の通り。
- 各相続人に対して遺言書の存在や内容を知らせるため
- 遺言書の状態を確認して、証拠として保全するため
検認の手続きに必要な書類
家庭裁判所で検認の手続きをする場合には、次の書類が必要となります。
- 検認申立書
- 被相続人の戸籍謄本(出生から亡くなるまでのもの)
- 戸籍謄本(申立人及び相続人全員)
- 印紙(遺言書1通につき800円)
被相続人の戸籍謄本については、集めるのに時間がかかります。最低でも1ヵ月くらいはかかりますので、専門家へ頼んでしまうのが無難です。
検認の手続きをした遺言書の有効・無効について

「検認をすれば、家庭裁判所が遺言書の有効性を認めたことになるのか?」
手続きが終わった遺言書は有効なものとして扱われる感じがしますよね。
しかし、家庭裁判所は、遺言書の有効、無効までは判断してくれません。
なので、無効の遺言書である可能性もあります。
遺言書が有効なのか無効なのかが分からない場合は、相続や遺言の専門家へ相談するのがおすすめです。それによって相続手続きも違うものになりますからね。曖昧なまま手続きして無効なんてことになると大変ですから。
遺言書が封筒に入っていた場合の注意点
保管もしくは発見した遺言書が「封筒に入っていた場合」は、勝手に開封してはいけません。開けてしまうと罰則があるので注意です。
封がされていた場合の開封は、家庭裁判所で相続人などの立会いのもとしなければなりません。違反をすると「5万円以下の過料」となります。
無いと思っていた遺言書が発見された時など、すぐに開封して内容を確認したい気持ちは分かりますが、開けてしまうと面倒なことになるので我慢しましょう。
開封しても遺言書は無効とはならない
遺言書は、検認の手続きが済むまでは絶対に開封してはいけませんが、万が一開封してしまったとしても遺言書が無効となるわけではありません。
なので、絶対に破棄してはダメです。
遺言者の最後の意思表示なのですから、ちゃんと手続きをしましょう。