今回は、内縁の妻の相続についての記事です。
事実婚とも言いますよね。
内縁の妻は「相続人」になることができるのか?
結婚式や一緒に暮らした期間は関係するのか?
この疑問について説明していきます。
内縁の妻は相続人になれるのか?
通常、妻は常に相続人となりますが、内縁の妻は、残念ながら相続人にはなれません。
妻(配偶者)として相続権が認められるのは、婚姻届を市区町村役場へ提出して受理された者だけです。内縁の妻、事実婚では、基本的に相続権は認められません。
次のような質問をされることがあります。
- 結婚式をあげれば相続人として認められるのか?
- 一緒に暮らした期間が長ければ相続人として認められるのか?
順番に説明していきます。
結婚式をあげれば相続人として認められるのか?
どんなに盛大な結婚式をあげたとしても、婚姻届を提出・受理されていなければ、配偶者として認められないため、相手の相続人にはなれません。
結婚式をあげたことについて、親族や友人、仕事関係の知人などが証言してくれたとしても関係ありません。
一緒に暮らした期間が長ければ相続人として認められるのか?
どんなに長く一緒に暮らしていたとしても、相続人にはなれません。
法律上、他に相続人がいれば、その人が遺産を承継することになります。
ちなみに、子どもがいれば相続人になれると思っている方もいますが、それは間違いです。
まず、上記で説明したように婚姻届を提出・受理されていなければ、配偶者としての相続権はありません。それは子どもがいても同じです。
また、子どもについては、母の相続人にはなれますが、父の場合は「認知」が必要です。認知がなければ父の相続人として遺産の承継はできません。
認知された子の相続分について
内縁の妻との間にできた子の話が出たので、認知された子の相続分についてもお話したいと思います。
認知された子は「非嫡出子」とも呼ばれます。その昔、相続分が婚姻関係の男女から生まれた嫡出子の半分しかないという時代がありましたが、現在では、法律が改正されて嫡出子と同じ相続分となっています。
ちなみに、認知は「父親が死亡したらできない」と勘違いされている方もいますが、そんなことはなく、父親が亡くなった後3年以内であれば、裁判で認知を請求することもできます。
今日はここまでです。
ありがとうございました。