自筆証書遺言の作成時に「よくある質問」についてご紹介していきます。
添え手などの補助をした遺言書は問題ないのか?
ペンネームや雅号での氏名の記載は有効なのか?
これらの質問のほか、自筆証書遺言に記載する日付の書き方や、遺言書が2枚以上になった場合の対処方法なども説明していきます。
添え手などの補助をして遺言書を作成しても問題ないのか?
添え手などの補助をして遺言書を作成するのはおすすめできません。
どの程度の補助をしたかにもよりますが「本当に遺言者の意思によるものなのか?」という疑問を持たれてトラブルになる可能性が高いからです。
場合によっては、無効という扱いになることもあります。
遺言者に添え手を頼まれたら?
断るべきだと思います。
私の場合、実務でこういった質問をされた場合、トラブルになる可能性を説明して、補助はしないように案内をしています。
「公正証書遺言」を検討する
遺言を残したいけど、何らかの理由で文字が書けないという方は、「公正証書遺言の作成」をおすすめします。
公正証書遺言なら、文字が書けない人でも思い通りの遺言を残すことができますからね。
自筆証書遺言に書く氏名は「ペンネーム」や「雅号」でも有効なのか?
「有効」との判例もありますが、おすすめはできません。
ペンネームや雅号が「本当に本人の署名なのか?」の確認も大変ですし、何より遺言の内容を執行することが困難になりますからね。
相続人の負担を考えると、戸籍に記載されている通りに氏名を書くべきです。
旧漢字について
ちなみに、戸籍に書かれている氏名に「旧漢字」が使われている場合は、遺言書の氏名もそれに従い旧漢字で書くようにしましょう。
細かいことだと思う方もいるかもしれませんが、「氏名」は自筆証書遺言の要件になっている部分です。なので、正確に書くということは、とても重要です。
自筆証書遺言の日付の書き方
日付の書き方には色々とありますが、無難なのは次の書き方です。
令和5年2月22日
このように自筆証書遺言に自書すれば、日付は間違いなく有効なものとして扱われます。
ちなみに、間違っても「ゴム印」は使わないようにしましょう。これは氏名についても同じで、自書することが自筆証書遺言の要件になっているので、ゴム印では遺言書自体が無効となってしまいます。
自筆証書遺言が2枚以上になった時はどうすればいいのか?
私がお客さんから質問をされた時には「契印」をするように案内しています。
2枚目が、1枚目の続きだということを証明するためです。契印をしなければ無効というわけではないですが、少しでも遺言書の信ぴょう性を高めるためにおすすめです。
具体的には、複数枚の遺言書をホチキスでとめて契印をしていきます。もちろん使用するのは遺言書で使った印です。
自筆証書遺言は、何かとトラブルになりやすいので、少しでも信ぴょう性を高める工夫が必要になってきます。