行政書士が依頼を遂行するにあたって「依頼人の話」はとても重要ですよね。
ただ、相続に関しては依頼人の話をすべて鵜呑みにするのは危険です。
相続業務の経験が浅い行政書士が、失敗しがちなケースのひとつをご紹介します。開業して間もない先生は注意です。
依頼人からの話を鵜呑みにした結果、どんなトラブルになるのか?
そうならない為には、どうすれば良いか?などを説明していきます。
【相続業務】依頼者の話は鵜呑みにしないほうがいい
相続業務において、依頼人の話を鵜呑みにしてはいけない理由。
それは、依頼人自身が「誰が相続人なのか?」「相続財産にはどういった物があるのか?」など、根拠なく言っている場合があるからです。
ご存知の通り、相続業務において相続人を確定させたり、相続財産を把握することはとても重要です。
ここを間違うと、大変な思いで作成した書類が意味のないものになったり、トラブルに発展することもありますからね。
例えば
夫を亡くした妻が依頼人で「相続人は私と子供2人です」と言っていたとしても、戸籍を取り寄せてみたら夫に隠し子がいたなんてケースもあります。
隠し子は、テレビドラマの世界だけではないです。
実際に相続業務をやっていると珍しくはないです。
隠し子の存在を見落として、遺産分割協議をおこなった場合は無効になります。遺産分割協議には「相続人全員の合意」が不可欠ですからね。
隠し子の存在を見落とすことがあるのか?
- 依頼人の話を鵜呑みしている
- 戸籍に関する知識が乏しい
- 相続人を確定するための戸籍の枚数が多い
- 手書きの戸籍を読むのが苦手
- 相続業務の経験が浅い
こういった理由が、いくつか重なると見落とす可能性は十分にありえます。
こういった見落としは誰が悪いのか?
「依頼人の説明が悪い!」など、失敗の原因を依頼人にしたい気持ちも分からなくないですが、明らかに専門家である行政書士が悪いです。
依頼人は嘘をついた訳ではないですからね。
本当に知らなかっただけですから。
分からないからこそ専門家である行政書士に依頼している訳です。
しっかりと確認しなかった行政書士が悪いです。
相続業務:失敗しないためにやること

依頼人の話をしっかりと聞きつつ、戸籍や登記簿謄本など相続手続きに必要な情報を集める。そして集めた情報をしっかり読んで判断する。
当たり前のことですが、これらの流れを先入観を持たないで慎重に行えばミスは防げます。
依頼人とのコミュニケーション
依頼の話を鵜呑みにするのは良くないですが『依頼人の話をよく聞くこと』は大切です。
だいぶコミュニケーションがとれてから、重要な情報が出てくることもありますからね。
初めてお会いした方などは、士業ということで緊張していることもあります。リラックスさせて必要な情報を聞き出すコミュニケーション能力が必要です。
法定相続情報証明制度
ひと昔前と違い、今は「法定相続情報証明制度」があるので便利です。
法定相続情報証明制度とは、簡単に説明すると「被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等」と「相続関係を書いた紙」を提出を法務局に提出すると、法務局が相続関係が間違いないことにお墨付きをくれるものです。
相続関係を書いた紙に、法務局の認証文が記載され写しが交付されます。
ちなみに「無料」です。
相続人の確定に不安がある方はもちろん、その他いろいろな手続きをするのにあると便利なので発行するのがおすすめです。
まとめ
相続業務をするのにあたって、依頼人の話をすべて鵜呑みにするのは危険です。
「先入観」というのが意外なほど怖いもので、先入観をもって仕事をすると、ありえないようなミスをする時があるので注意です。
相続では、依頼人が把握していない相続人や財産が、途中から出てくることはよくあります。先入観をもたず臨機応変に対応しましょう。
今日はここまでです。
ありがとうございました。