今回は「遺言書の保管」についてです。
- 遺言書の保管ついての注意点
- おすすめの保管場所
- 公正証書遺言以外の遺言書を発見した際の注意点
などについて解説していきます。
遺言書の保管に関する細かい疑問が解消されると思います。
【保管場所】遺言書は死後に発見されないと意味がない
せっかく書いても、遺言書が発見されなければ、遺言者の意志を尊重して遺産を分割することはできません。これでは意味がないです。
遺言書の存在を知られたくないとしても、死後に必ず発見されるようにしておくことが大切です。
相続人は遺言書を探している余裕がない
相続発生時は、遺言者が亡くなったショックと葬儀や各種手続きで、遺言書を探している時間的余裕も精神的余裕もないのが現実です。
遺言者が思っている以上に、残された家族は精神的に参ってしまっているので、そもそも遺言書を探すことをしない可能性もあります。
行政書士の私から遺言書を探すように言われて、探し始める方も少なくないです。
難易度の高い場所に、遺言書を保管すると見つからない可能性が高くるので注意です。
遺言書のおすすめ保管場所
おすすめの保管場所は次の3ヵ所です。
- 法務局(自筆証書遺言の保管制度)
- 銀行の貸金庫
- 弁護士、行政書士などの専門家
それぞれ説明していきます。
法務局(自筆証書遺言の保管制度)
法務局での保管に関しては、過去にこちらの記事で詳しく説明しています。
≫【自筆証書遺言の保管制度】保管場所と「遺言書保管事実証明書」の交付請求
銀行の貸金庫
遺言者が死亡した場合、銀行の貸金庫も相続人が確認することになります。
なので貸金庫に自筆証書遺言や秘密証書遺言などの封筒を一緒に保管しておくと、死後に発見されることになります。
弁護士、行政書士などの専門家
遺言書で、遺言執行者を指定することができます。
弁護士や行政書士などの専門家を、遺言執行者として指定している場合などは、それらの専門家に遺言を預けておくのも有効です。
遺言書を預かることについて資格は関係ないので、信頼できる第三者でも可能です。
公正証書遺言の場合も遺言書の存在を家族に伝えておく

公正証書遺言を作成した際も、その存在を黙っているのではなく家族には伝えておきましょう。
原本が公証役場にあるとしても、遺言者が亡くなった時に、家族の誰もその存在を知らなかったら、遺産分割協議後に発見されるなど、相続人が大変な思いをする可能性もあります。
遺言書に記載した相続人や受遺者すべてに遺言の存在を教える必要はありませんが、何人かには伝えておいたほうが良いです。
公正証書遺言以外の遺言書は検認必要・開封厳禁
公正証書遺言以外は家庭裁判所で検認の手続きが必要です。
自宅や貸金庫などで遺言書を見つけた場合は、勝手に開封しないでそのままの状態で家庭裁判所に提出しないといけません。
すべての相続人に立ち合いの機会を与えるため、遺言書の開封は、検認の際のおこなう決まりになっています。