相続が発生して遺言書がない場合、被相続人の遺産を分けるため「遺産分割協議」が開催されます。
実際に開催しようとすると、ひとつの疑問が浮かぶと思います。
それは、遺産分割協議には「直接」参加しないといけないのか?についてです。つまり、相続人全員が一ヵ所に集まって話し合う必要があるかということです。
すべての相続人が近くに住んでいれば、比較的容易に実現すると思いますが、一部の相続人が遠方に住んでいる場合は大変ですよね。
どこで集まるかによって、時間だけでなく交通費などの費用もかかりますからね。
今回は、遺産分割協議には直接参加しないといけないのかについて説明します。
遺産分割協議には直接参加しないといけないのか?
遺産分割協議は、他の相続人と直接会わなくても参加することができます。
「郵送」を活用するとことで、遺産分割協議への参加が可能だからです。
郵送でやり取りする場合の流れ
まず誰かが取り仕切って協議案をまとめます。
そして、その協議案を各相続人に伝えます。
この段階では、郵送でも電話でも問題ありません。
協議案は、相続人全員の同意が得られるまで修正を繰り返します。
相続人全員の同意を得ることができたら「遺産分割協議書」にまとめ、相続人全員に郵送して署名捺印(実印)をもらいます。書類を返信してもらうときに印鑑証明書も同封してもらうことも忘れないようにしましょう。
この方法だと、海外など遠方に住んでいる相続人も遺産分割協議に容易に参加できます。
実際に、実務上もこの方法で遺産分割協議書を作成することが多くあります。
他の相続人と話すのも嫌という場合の遺産分割協議
身内とはいえ、仲が良くないこともありますよね。
会うどころか、話すのも嫌だという人もいると思います。
その場合は、遺産分割協議を「第三者」に取り仕切ってもらうことも可能です。そうすれば、他の相続人と会話をしなくても遺産分割協議に参加することが可能です。
取り仕切ってもらう第三者としては、相続を専門に取り扱っている士業に依頼するのがおすすめです。ネットで検索すれば、相続を専門にしている弁護士や司法書士、行政書士などがすぐに見つかると思います。
そういった専門家は、こうした案件にもなれているので話がスムーズに進みます。
遺産分割協議に参加していない相続人がいた場合
遺産分割協議には相続人全員が参加する必要があります。
誰が1人でも参加していないと、遺産分割協議が無効となってしまいます。
嫌いな人だから…連絡がつかないから…という理由で、相続人のうちの1人を抜きにして手続きを進めたとしても「やり直し」になるので注意です。