今回は、行政書士の独立についての記事です。
行政書士の資格で独立開業するのは厳しいのか?
という質問について開業した経験から解説していきます。
最初に結論を言ってしまうと、行政書士資格での開業は、ほとんどの人が成功しないというほど厳しいものではないですが、決して簡単なものでもありません。
私も大変な思いをしてここまできましたからね。
失敗してしまった人も多く見てきました。
これから行政書士の資格取得を目指す方や、開業予定の方の参考になれば幸いです。
行政書士の資格で独立開業するのは厳しい?【失敗する理由】
行政書士は独立開業してこその資格ですが、開業した人が必ずしも成功するといったものではありません。
失敗。つまり廃業してしまう人も少なからずいます。
先ほども言いましたが、決して簡単なものではありませんからね。
なぜ、行政書士での独立を失敗してしまう人がいるのか?
理由としては、次の通りです。
- 人数が多い
- 収入が安定しない
- 個人事業主の自覚がない
- ビジネスマナーがない
順番に説明していきます。
人数が多い
単純に行政書士の人数が多いということがあります。
飽和状態です。
行政書士の業務には、稼ぐのに効率がいいものがいくつかありますが、それらの依頼を大勢の行政書士が取り合っている状態です。
なので、競争に負け続ければ当然稼ぐことができないので、行政書士を続けられなくなります。
ネットの影響で、価格競争も厳しい状態になっています。
単純に値引きして、安く依頼を受任すればいいという簡単な問題でもありません。
収入が安定しない
行政書士の業務は、単発的な業務が多くあります。
なので、収入が安定しないといった特徴があります。
私も何度か経験しましたが、開業して間もない頃は、資金的に厳しくなる月も少なくないと思います。自宅兼事務所にして、家賃などの経費を抑えたとしても、広告や交際費などの支出で苦しくなることもあります。
開業して間もない頃に、アルバイトをするという人も珍しくありません。
個人事業主としての自覚がない
行政書士事務所を立ち上げれば、行政書士も経営者です。
個人事業主としての自覚を持たないとやってはいけません。
なので、営業やマーケティングなどの努力は必要不可欠です。
待っているだけでは依頼は来ませんからね。
これができないと行政書士を続けていくことができなくなります。
行政書士で独立したものの「稼げない」「厳しい」と言っている人は、これができていないことが多いような気がします。
ビジネスマナーがなっていない
当然ですが、行政書士の資格で独立開業したとしても「ビジネスマナー」は必要です。
これ、意外なほどに重要なので注意しましょう。
ビジネスマナーがない人は、徐々に孤立して消えていきます。
誰もそんな人と付き合っていきたくはないですからね。当然です。
厳しいと言われる行政書士での独立を成功させるには?
行政書士は、すぐに開業できる点ではとてもコスパの良い資格です。
ポイントをおさえて、厳しいと言われる行政書士での独立を成功させましょう。
そのために必要だと思うのは次の通り
- 差別化
- 集客・マーケティング
- 実務の勉強
- 人脈
- ビジネスマナー
順番に説明します。
差別化
行政書士は人数が多いので、同じ業務を取り扱うにしても、独自のセールスポイントを用意して他の事務所との差別化を図っていく必要があります。
最初は、簡単なものでもいいですが、業務に慣れてきたらセールスポイントを拡大させていきましょう。
ちなみに、地域にもよりますが取扱業務を絞りましょう。
特化した方が、知識も経験も早く蓄積されます。
営業、マーケティング
行政書士もサービス業なので、今の時代ホームページは当然として、チラシ、リスティング広告、飛び込み営業など何でも試してみることをおすすめします。
個人事業主としての意識が低い行政書士にならないようにしましょう。
ちなみに、営業する際は「行政書士」だということより、「何ができる人なのか」を印象付けることのほうが大切なので、それを忘れないようにしましょう。
実務を勉強する時間を惜しまない
行政書士は、試験に合格するための知識が実務ではあまり役に立ちません。
なので、実務の勉強をする必要があります。
専門家として怠けないようにしましょう。
注意する点としては、実務の勉強ばかりでは稼げないということです。
多少知識に自信がなくても、依頼を受けて実践で覚えていくのが理想です。
開業して1年くらいは、営業や勉強、行政書士会へのイベントや研修などへの参加などで大変だとは思いますが、とにかく頑張るしかないです。
それを続けていれば、年収は徐々に増えていきます。
人脈を広げる
人脈を広げれば広げるほど、依頼は増えます。
誰から仕事をもらえるかは分かりませんので、出来る限り人が集まるところには参加するようにしましょう。
地域によっては、ダブルライセンスにして人脈を広げる方法も有効です。
ビジネスマナー
ビジネスマナーについては、自信がある人もない人も開業前にビジネスマナーについて書かれた本を読むことをおすすめします。
意外と間違って覚えていることもありますから。
行政書士の資格で独立開業するのは厳しい?【まとめ】
今回は、行政書士の資格で独立開業するのは厳しいのかについて解説しました。
行政書士は開業後1~3年ほどで廃業してしまう人が多いのも事実ですが、本記事のように失敗する点に注意して対策をとれば成功する可能性は高くなります。
決して楽ではないですが、軌道に乗れば、こんなやりがいのある仕事は他にはないと思います。
ちなみに、それでも仕事がないという人は、同じ支部の先輩行政書士に相談してみるのもアリです。私も先輩行政書士から多くアドバイスをもらってここまできました。
先輩行政書士は、「行政書士で独立開業」という同じ経験をしてきた人なので頼りになります。