まだ生まれていない子のことを「胎児」と言います。
今回は、相続が開始したときの「胎児」についての記事です。
相続人となるには、原則として相続が開始されたときに「存在」していることが必要ですが、まだ生まれていない子である胎児はどのような扱いになるのでしょうか?
解説していきます。
胎児は相続人になることができるのか?
まだ生まれていないことを考えると、相続人になることができない感じもしますよね。
しかし、胎児は相続人になることができます。
相続に関しては、「胎児はすでに生まれたものとみなす」という扱いになっているからです。
通常、相続人となるためには、相続開始時、つまり被相続人が亡くなった時に存在していることが必要です。
ただ胎児に関しては例外的に、このような権利が認められています。
代襲相続で胎児が相続人となることもあります。
胎児が死産の場合
残念ながら、胎児が死産の場合は相続人となることはできません。
胎児が相続人となるためには、無事に生まれてくることが条件となっているからです。
遺産分割協議を行うタイミング
相続人に胎児がいる場合、遺産分割協議を行うタイミングに注意が必要です。
なぜなら、先ほど説明したように、胎児は無事に生まれてくるかどうかで扱いに違いがあるからです。
相続人の数や相続分に影響します。
いつ行えばいいのか?
胎児が無事に生まれてくるのを待ってから、遺産分割協議を行います。
胎児が生まれてくる前に遺産分割協議を行っても、遺産分割協議のやり直しが必要になるからです。
ちなみに、胎児は無事に生まれてくると相続人として扱われるわけですから、遺産の中に土地や建物などの不動産がある場合、胎児名義の所有権移転登記を行うことも可能です。
戸籍に記載されていない相続人
通常、相続人を確定させるには、被相続人の出生から死亡までの戸籍を調査することになりますよね。
しかし、戸籍に記載されていない人も相続人となることがあります。
今回、説明した「胎児」がいるような場合です。
相続人が一人でも抜けた状態で遺産分割協議を行っても無効となってしまいますので、誰が相続人となるかを調査する際は注意が必要です。