行政書士の資格を取得したものの、その使い道に悩んでいませんか?
試験に挑戦する前から、しっかりと使い道を決めていた人は問題ないと思いますが、ざっくりとした合格のイメージだけで試験に挑戦したという人も少なくないと思います。
今回は、行政書士資格の使い道として「独立開業」という選択肢について、私の開業した経験を元にあれこれ話していきたいと思います。
行政書士試験に合格したものの、使い道に悩んでいる方の参考になれば幸いです。
行政書士資格の使い道~独立開業という選択肢について
行政書士資格の使い道で、一番多いのが「独立開業」です。
どうして独立開業を選ぶ人が多いのか説明していきます。
行政書士の資格は下記のような特徴があります。
- 就職や転職で高評価される資格ではない
- 行政書士を必要とする求人数が少ない
履歴書に書いて、ある程度の評価をしてくれるのは下記のような職場です。
- 行政書士事務所
- 弁護士事務所
- 司法書士事務所
- 税理士事務所
- 企業の法務部
これらの職場でも、行政書士が必ずしも必要という訳ではないので、求人の数は少ないです。なので、結果として独立開業を選択する人が多くなります。
独立開業という使い道を選択しても「やり方しだい」で儲かる
ネットで行政書士の関連情報を見ていると「仕事がない」「廃業」などの言葉が目につきます。
しかし、行政書士はやり方しだいで十分に儲かる仕事です。
仕事がないと嘆いている人や廃業した人は、営業努力をしていなかったり、勉強不足、接客が悪いなど、何らかの原因がある場合が多いです。
私の所属している支部では、40代半ばで実務未経験で開業して、2年で軌道に乗せた主婦もいます。努力と工夫しだいで、いくらでも収入を増やすことは可能です。
≫「行政書士は仕事がない?」開業してみて分かった真実について
行政書士資格で独立開業する際は「ひよこ狩り」に注意
少し話はそれますが、行政書士の資格で開業する際は「ひよこ狩り」に注意する必要があります。
行政書士は、資格を取得するために勉強した知識が、開業後の実務ではほとんど役に立ちません。そして先ほど説明した通り求人数も少ないです。
なので、実務未経験で独立開業する人がほとんどです。
そこに目をつけた悪徳な行政書士や業者が、新人行政書士をカモにしてお金稼ぎを行っていることがあります。「ひよこ狩り」と言われるものです。
そういった人達は、実務講座を開催して、提供される情報に合わない高額な費用を請求してきます。中には有益なものもあるとは思いますが、しっかり調べたうえで受講しないと時間とお金を無駄にしてしまう可能性があります。
実務の経験がない不安な気持ちはとても理解できますが、安易に実務講座などを受講しないことをおすすめします。
行政書士会の実務講習
行政書士会に入会すると、行政書士会が開催している実務講習に参加できるようになります。先輩行政書士や弁護士、官公庁職員など関連する専門家が講師を務める実務講習です。
私の経験では、この講習だけで十分に実務の基礎を学ぶことができます。それに加えて、依頼を受けて経験を積んでいけば、行政書士の資格だけで食べていくことは可能です。
行政書士資格の使い道~業務の選択
行政書士がお客さんから報酬をもらって処理することができる業務はとても幅広いです。
行政書士法で定められている業務のほか、弁護士や司法書士、税理士、社会保険労務士、土地家屋調査士など他の資格で独占業務とされている以外のものを取り扱うことができるからです。
業務範囲が広く、使い勝手が良いので、司法書士や社労士などの資格と合わせてダブルライセンスで開業する人も多く存在しています。
行政書士の主な業務
行政書士が取り扱うことができる書類は10,000種類とも言われているので、ここで全部を紹介することはできまんせが、代表的な業務をいくつか紹介します。
- 相続・遺言
- 成年後見
- 建設業許可
- 産業廃棄物処理業許可
- 自動車・運輸関連
- 契約書作成
- 土地関連
- 会計記帳
- 知的財産
- 外国人関係
- 予防法務
- コンサルティング業務
同じ行政書士でも、取り扱っている業務で全然違う職業のように見えます。
取扱業務を絞る
行政書士の業務は幅広く、それぞれの業務で専門家と名乗るには勉強や経験が必要です。なので、開業するにあたっては取扱業務を絞るのがおすすめです。
そのほうが、ノウハウが蓄積しやすく、早く専門家となれるからです。
オールマイティに業務をこなす行政書士もいますが、経験や知識の浅い業務は処理に時間がかかるので、新人にはハードルが高めです。
特定行政書士について
特定行政書士とは、行政書士が作成して申請した許認可等の手続きに対して、不許可等の処分があれた場合に、行政庁へ不服申立ての手続きをすることができる行政書士のことです。
特定行政書士になるには、定められた研修に参加して、さらに試験に合格する必要があります。私はまだ取得していませんが、所属する支部では特定行政書士と名乗っている先生が増えてきています。
比較的新しい制度なので、今現在は利益に結びつけるのは難しいですが、将来的には期待できるものになると言わています。
サラリーマンをしながら副業として行政書士資格を使う
行政書士資格は、サラリーマンをしながら副業として使うことも可能です。
最近は、副業を認める会社も増えてきたことから、副業という行政書士資格の使い道を選択する人も増えてきました。
私が所属する支部にも数名います。2つの仕事をするのは大変そうですが「収入が増える」「本業をリストラされた時の保険になる」などのメリットがあります。
まとめ
今回は、行政書士資格の使い道で一番選ぶ人が多い「独立開業」についてお話しました。
行政書士して開業すると、取扱業務や労働時間、休日、給料など、すべてを自分で決める必要があるので大変ではありますが、やりがいがあります。
努力と工夫しだいで、いくらでも稼ぐことが可能です。行政書士という資格は「取得しても活用しないという方が多い」という特徴がありますが、ぜひ登録して役立てて欲しいと思います。