行政書士の業務は、「許認可」と「民事法務」に大きく分けることができます。開業するにあたり、どちらの業務を専門とするかを悩む人も少なくないと思います。
許認可と民事法務どちらを選んだほうが良いのか?
メリットやデメリットなどを、ご紹介していきたいと思います。
ちなみに、無理に選ぶ必要はありません。
両方とも「やる」という選択肢も、もちろんアリです。
「許認可」を選んだ際のメリット
許認可を選ぶ最大のメリットは、「ルーティン化」が可能という点です。
手続きを何度か経験すればノウハウが蓄積されるます。
なので、後はいかに効率よく依頼を完遂させるかを考えるだけです。
ルーティン化できれば稼げます。
「許認可」は稼げる
許認可の場合、民事法務のような争いが起きにくいので、営業に集中して依頼を増やしていくことができます。自分以外でもできる事務的な作業を、従業員を雇ってやらせれば、さらに効率をあげることができます。
実際に、私が所属している行政書士会の支部でも、稼いでる事務所は、間違いなく「許認可」をメインとしています。ビジネスとして行政書士業を営むなら「許認可」を選ぶべきです。
「許認可」を選んだ際のデメリット
- 競争が激しい
- 新規参入が難しい
順番に説明していきます。
競争が激しい
許認可は、ルーティン化して稼ぐことができるので人気があります。
例えば、許認可業務で代表的な「建設業許可」あたりは、許認可を必要とする会社を大勢の行政書士で取り合っているような状況です。
新規参入が難しい
今ある会社はどこかの行政書士とすでにつながっているので、そういったところから依頼をもらうのは難しいのが現状です。
「民事法務」を選んだ際のメリット
メリットとしては「需要がある」という点です。
人がいる限り、相続や遺言、成年後見、離婚などの需要はありますからね。日本中どこの地域へ引越しても、知り合ったすべての人が、お客さんになる可能性があります。
また、AIなどの登場によっても無くなりにくい業務です。
「民事法務」を選んだ際のデメリット
- 業際に注意する必要がある
- 勉強することが多い
- ライバル士業が多い
- 収入が安定しづらい
順番に説明していきます。
業際に注意する必要がある
行政書士が作成できる書類に「内容証明」や「示談書」などがありますが、こういった書類は何らかのトラブルを解決するためのものなので、他の業務にくらべるとトラブルに巻き込まれる可能性が高くなります。
行政書士は弁護士のように、相手方と交渉ができません。
交渉してしまうと「違法」となりますので注意が必要です。
その他のデメリットについて
◇勉強することが多い
許認可にくべて勉強することが多いです。例えば、相続などは、依頼を完遂するまでに様々な法律が関係してきますので勉強は必須です。
◇ライバル士業が多い
例えば、相続手続きの依頼獲得には、同業者である行政書士以外にも弁護士や司法書士、税理士などが参戦してきます。ライバル士業が多く、他士業からの紹介も少ないのが現状です。
◇収入が安定しづらい
相続や離婚など、いつ発生するか分かりません。なので収入が安定しづらいです。収入が多い月もあれば、少ない月もあります。