今回は、「30代から行政書士試験に挑戦して大丈夫なのか?」
「取得後この資格で食べていけるのか? 年齢的に遅くないのか?」
「資格取得後の進路は?」
という疑問に答えていきます。
行政書士として活動してきた経験から、具体的な話ができるかと思います。
行政書士を目指す方の参考になれば幸いです。
それでは見ていきましょう。
30代で政書士を目指すのは年齢的に遅くないのか?
全然、遅くないです。
むしろ良いタイミングではないかと思います。
20代での社会人経験やアルバイト経験が生かせますからね。
行政書士は業務範囲が広いので、どの業界での知識や経験も活かすことができます。
行政書士の「平均年齢」と「活躍している年代」
聞いたところによると、平均年齢は50代。
たしか55歳くらいだったと思います。
平均年齢から見れば30代なんて、まだまだ若いですよね。
そして、行政書士として活躍している人が多い年代は30代~40代です。
実は30代から行政書士を目指している人はかなり多いです。いずれ他の記事で体験記を書こうと思っていまが、私も30代から行政書士を目指してます。
平均年収の話
ちなみに、30代から行政書士を目指す場合、一番気になるのは「年収」の話だと思います。
ネット検索などで調べると、行政書士の平均年収は300万円だとか600万円だとか言われていますよね。実際はどうなのか?
これは気にしないでいいと思います。年収なんて最終的には自分の頑張りしだいで、いくらでも変わりますからね。こういった数値は、行政書士の一部のアンケート結果なので、それほど信頼度は高くありません。
未経験から行政書士を目指すのは無謀なのか?
全然ありです。無謀ではありません。
未経験から行政書士になって、バリバリ仕事している先生なんて山のようにいますからね。
むしろ、独立開業を視野に入れた場合、業務の未経験より「営業の未経験」の方が心配です。独立開業したら、とうぜん自分で仕事を取ってこなきゃ廃業ですからね。
30代で仕事を辞めてからの挑戦は無謀なのか?
これはやめた方がいいです。無謀です。
30代から行政書士を目指すにあたって、絶対やってはいけないことだと思います。
試験なんて、どんなに勉強をしていても落ちるときは落ちますからね。
余裕をもった試験対策が必要です。
せめて、行政書士試験に合格してから退職を考えましょう。
不安定な収入
試験合格後、よほどの人脈や経験があれば別ですが、当分の間は収入が不安定です。合格後の生活を考えても仕事は辞めるべきではありません。
行政書士試験は、ポイントさえしっかり押さえておけば、働きながらでも合格は可能なので、背水の陣での挑戦はやめておきましょう。
行政書士になる最短ルート
行政書士は、間違った勉強方法をしなければ、働きながら独学での合格も可能です。実際に私がその状態で合格したので、それは間違いありません。
ただ、独学は「時間がかかる」というデメリットがあります。
理由としては次のようなことがあるからです。
- 勉強方法を試行錯誤する
- 分からない問題を調べる
なので、最短ルートで行政書士になりたい人は「資格の予備校」を利用することをおすすめします。資格の予備校は、行政書士試験対策のノウハウが蓄積されていますからね。 勉強方法や分からない問題で悩んでいる方は時間を短縮できます。
次の行政書士試験の予備校は、働きながらでも利用しやすいところです。
実績のある予備校ですので、どれを選んでも問題ありません。
30代で行政書士資格を取得した後の進路について

30代で行政書士資格を取得した後の進路としては
- 企業に就職
- 士業の事務所
- 独立開業
だいたいこんな感じです。
順番に説明していきます。
企業に就職
30代前半なら一般企業の法務部や総務部といった部署に就職可能ですが、30代後半なら苦戦するかもしれません。会社の規模にもよりますが…。
どこの会社も、即戦力か育てやすい人材を好みます。行政書士試験で学んだ知識だけでは即戦力とはなりにくので、結局は資格と関係のない年齢や能力で判断される可能性が高いです。
士業の事務所
士業には、行政書士、弁護士、司法書士、税理士、社会保険労務士、土地家屋調査士、弁理士、海事代理士があります。
職安や求人広告で応募して、これらの事務所に採用されれば運がいいほうで、かなり狭き門というか、募集自体がほとんどないのが現状です。
士業の事務所で何らかの実務経験を積みたいという人は、コネや人脈を駆使して就職するのが現実的かもしれません。ちなみに行政書士補助者として経験を積めれば、開業後は無敵です。
独立開業
30代で行政書士試験に合格後、選ぶ人が一番多い進路が「独立開業」です。
そもそも独立開業型の資格ですからね。
業務知識だけでなく、事務所を運営していくための「経営者としての資質 」も必要なってきます。どんなに法律知識や業務知識が豊富でも、お客さんがいなければ食べていけませんからね。
私は、試験合格後の進路として独立開業を選びました。一番不安定な選択肢ではありますが、やればやっただけ自分に返ってくるの正直楽しいです。
行政書士の廃業について
30代で行政書士事務所を開業するにあたり、一番不安なのが「廃業」だと思います。行政書士の廃業は「3年で7割」とも「5年で9割」とも言われていますからね。
私は行政書士として、2016年に開業して以来、今日まで何とかやっていますが、残念ながら廃業していった同期が何人かいます。知っている先生の廃業は、心配だし、淋しいし、明日は我が身だと思うと不安で、複雑な気持ちになります。嫌なもんです。
ただ廃業も、自分の頑張りしだいで十分に回避できます。
廃業を回避する方法については、別の記事でご紹介します。
稼げない行政書士とは?

私が思う「稼げない行政書士」の特徴をご紹介します。
- 自分のやりたい業務にこだわっている
- 営業することに苦手意識がある
- 時代の流れについていけない
順番に説明していきます。
自分のやりたい業務にこだわっている
せっかく仕事があるに、自分のやりたい仕事にこだわるあまりに、依頼や紹介を断ってしまう先生がいます。私のまわりだと相続の分野を専門にしている先生に多いような気がします。
「絶対にやりたくない! 」という仕事なら、断っても仕方がありません。
でも、未経験の業務だからという理由で断るのはもったいないです。
経験のない分野の仕事でも、実際にやってみると楽しい場合もあります。
「意外と自分に向いてる?」という新たな発見もあります。
可能性を自分から潰すのはダメです。
営業することに苦手意識がある
営業経験がないことについては、開業後にどんどん経験を積んでいけば問題ないですが、営業することに「苦手意識」を持っているのは問題です。
開き直って挑戦することも必要です。
時代の流れについていけない
ネットやスマホなど、どんどん進化してします。
そして、Facebook、Twitter、Instagram、LINEなど…。
今30代の人が、10代や20代の時になかったサービスなどが続々と登場してます。
そういう流れに現在、さらには40代、50代になった時もついていけるのか?
法律系資格の行政書士も、新しい技術を取り入れて営業していくことが必要です。意外とそういうことが重要だったりします。
30代からのダブルライセンスの道
30代で行政書士試験に合格後、不安だからと社会保険労務士や司法書士の試験に挑戦する人が多いそうです。
ダブルライセンスも、うまく使いこなせれば他の事務所との差別化ができるのでは否定はしませんが、想像以上に2つの資格のバランスをとるのが難しいようです。
場合によっては、2つの資格とも中途半端になって、逆に稼げないこともあります。30代でダブルライセンスを目指すなら、時間を無駄にしないように入念に計画を立てましょう。
行政書士の「業務分野が広い」という特徴について
行政書士の業務範囲の広さは、行政書士の専門性を分かりにくくするデメリットと思われがちですが、私は他の士業にはないメリットだと思っています。
通常、30代で転職を考えた場合、年齢的に失敗はできません。
しかし、転職したものの仕事が自分に合わないなんてよくある話ですよね。
行政書士は業務範囲が広いので、仕事が自分に合わなかった場合、行政書士業務の範囲内で仕事内容をガラリと変えることが可能です。
行政書士の扱える書類は「1万種類以上」と言われています。選択肢は豊富です。
何らかの法律や制度が改正された際には、業務の新規開拓も可能です。
まとめ
30代で行政書士を目指すことは、全然遅くはないです。
むしろ、年齢的に転職が失敗できないので行政書士を選んでおくべきです。
行政書士は、ネット検索をすると「食えない」「儲からない」など散々なことを書かれていますが、私のまわりには、行政書士専業で稼いでる先生はたくさんいます。
ぜひ、挑戦してみてください。
ちなみに副業としても最適です。子育てをしながらでも開業している先生も珍しくないので、30代の主婦の方にもおすすめです。