この記事では「行政書士をやめたいと思ったことありますか?」と、知り合いの先生方に質問した時の話をご紹介しています。
「辞めたいと思ったことがある」と答えた先生に対して、さらに次の2つの質問もしています。
- どんな時に辞めたいと思ったのか?
- 辞めるのを思いとどまった理由は?
これから行政書士を目指す方の参考になれば幸いです。
【質問】行政書士を辞めたいと思ったことありますか?
「辞めたいと思ったことがある」と答えた先生が意外と多かったです。
「どんな時に辞めたいと思ったのか?」印象的だった理由を2つご紹介します。
- 開業当初のお金の不安
- 相続で揉め始めた案件
順番に説明していきます。
開業当初のお金の不安
開業当初は、行政書士会への登録費用やら事務所での備品など、お金が飛ぶように出てきまます。それなのに仕事がない。
当然、お金が無くなることが不安になってきます。
これは、私も経験がありますが、資金をある程度用意していたとしても不安なんですよね。いつになれば仕事の依頼がきて、報酬が入るのかが全然分からないんですから。
収入がない状態で、貯金通帳の金額が減っていくのは恐怖ですからね。
その先生は、そんな状態が数ヵ月続いて、辞めたいと思ったそうです。
相続で揉め始めた案件
もう一人の先生は、相続の案件で揉めた時に辞めたいと思ったそうです。
最初から揉めていれば、弁護士さんの仕事なので、知り合いの弁護士さんを紹介して終わりですが、途中から揉めて巻き込まれると大変なようです。
弁護士さんにバトンタッチするにも、スムーズにいかず、相続人から、かなり酷いことも言われたそうです。
ちなみに、その先生は行政書士を辞めなかったものの、相続業務の扱いを完全に辞めています。現在は会社設立を専門として事務所を運営しています。
その他、行政書士をやめたいと思うとき
その他、どんな時に行政書士をやめようと思うのかを調べてみました。それぞれについてコメントしていきます。
- 家族を養えない
- プレッシャー
- 人間関係
- 開業前の理想がくずれる
家族を養えない
これは、致命的ですよね。独身ならまだアルバイトをすれば何とかなりますが、家庭を持っているとそういう訳にもいきません。
「大切な人が困る」という状況はキツイものがあります。
この場合、最悪、転職しか方法がないです。
プレッシャー
行政書士の仕事には、人の権利義務に関するものがあり、業務によってはかなりプレッシャーをともなうものもあります。書類の内容が心配になって、夜中に確認するなんてことも珍しくありません。
実際に依頼を受けるまで、行政書士業務にそんなプレッシャーをともなう業務があるとは思わないし、自分がそこまで不安で精神的に追い詰められるなんて想像してませんからね。
行政書士には、ある程度のメンタルの強さも求めらます。
人間関係
これはどの業界も同じですね。
行政書士は基本的に自営業ですが、所属する行政書士会などで集まりがあり、人間関係も仕事をしていくうえで重要な要素になります。
「参加しなければいい」とも思いますが、開業当初はそうもいきません。実務経験なしで開業した場合、そういった集まりで知り合った先生が実務での相談相手になりますからね。
開業前の理想がくずれる
行政書士を主役としたドラマありましたよね。
私も見てました。行政書士のカッコよさが印象的でした。
そのドラマの影響もあると思いますが、あまりに高い理想やイメージを持って行政書士になった人は現実を知ってやめたくなるようです。
想像以上に地味だったりするので、、、
辞めるのを思いとどまった理由は?

ここから、私の知り合いの先生方の話に戻ります。行政書士をやめたいと思ったのに、思いとどまった理由も聞いてみました。
- 転職先が見つからなかった
- 今さら引きかえせなかった
- 取扱業務を変えた
転職先が見つからなかった
行政書士を辞めて転職しようと決めたものの、転職先が見つからなかったそうです。なので、思いとどまるしかなかったそうです。
行政書士の知識って、一般企業ではあまり評価されないんですよね。なので、転職活動がうまくいかないこともあります。
行政書士を含めた、他の士業の事務所へ転職という手段もありますが、待遇が良くないんですよね。
今さら引きかえせなかった
行政書士の試験勉強や開業準備など「時間とお金」を使い過ぎてますから、そう簡単には辞められないですよね。すべて無駄になる訳ですから。
行政書士会へ支払った登録費用も安くはないですし、転職するのに年齢的な問題も出てきますからね。
取扱業務を変えた
「取扱業務」に関係することが、行政書士を辞めたいと思った原因だった場合は、取扱業務を変えることで問題が解決することもあります。
行政書士は、取り扱える業務が豊富ですからね。
先のほどご紹介した先生のように、相続業務をやめて会社設立に専門業務を変更することも可能です。行政書士を辞めなくても、仕事内容を変えることは可能です。
行政書士を辞めた後の転職先
「どうしても行政書士をやめたい!」そういった場合は、下記の転職先が一般的です。
- 他士業事務所
- 一般企業の法務部・総務部
- コンサルティング会社
最近、行政書士資格を優遇するコンサルティング会社も増えてきています。タイミングによっては好条件での転職が可能です。
行政書士の資格を活かした転職については、こちらの記事が参考になると思います。
≫ 行政書士の資格は、転職で有利なのか?【転職先と求人募集の現状】
まとめ
長く行政書士をしていると、一度や二度は行政書士をやめたいと思うことがあります。ただ、それを乗り越えると、行政書士として大きく成長します。
嫌な思いをまったくしない仕事もないですからね。
行政書士をやめるのは簡単です。
ですが、あと少しだけ頑張ってみることをおすすめします。