こんにちは、行政書士のひろです。
行政書士の国家試験は難しいです。近年は合格率が10%を超えてますが、一桁代の年もしばしば。そんな難関試験を受験しないで行政書士になれる人がいます。
それは「公務員」です。
ただ公務員だからという理由だけは試験免除になりませんが、一定の条件を満たせば行政書士の国家試験を受験しないで登録・開業をすることができます。
それでは詳しく解説していきまので、見ていきましょう。
公務員だと行政書士試験が免除される
国民のために官公署等で働く公務員の皆さんは、一定の条件をクリアすることで行政書士の国家試験を受験することなく、行政書士として登録や開業をすることができます。
その条件は、行政書士法第2条で定められています。
行政書士法第2条
国または地方公共団体の公務員として行政事務を担当した期間および行政執行法人または特定地方独立行政法人の役員または職員として行政事務に相当する事務を担当した期間が通算して20年以上(学校教育法による高等学校を卒業した者その他同法第90条に規定する者にあつては17年以上)になる者
条文なので分かりにくいですが、要するに公務員として行政事務を担当し、それが通算通算17年以上(中学校卒業の場合は20年以上)勤務していれば、行政書士として登録することが可能。ということです。
あの、つら~い行政書士試験の勉強をしないのは、うらやましい話ですが、よく考えてみると通算17年勤務って長いですよね?
将来、確実に無試験で行政書士にはなれますが、最短で開業できるのは40歳手前?しかも、40歳まで公務員で安定した生活をしていたのに、行政書士の独立開業に挑戦って、家族の反対が半端じゃない感じがしますね。
公務員から行政書士開業を目指すなら、定年退職後が無難ですね。
公務員でも行政書士の早期開業を目指す人は試験を選ぶ
試験免除での行政書士を狙うと開業が遅くなるという理由から、17年~20年待たないで行政書士を目指す公務員もいるそうです。その場合は、とうぜん国家試験を受験します。
行政書士として独立を考えているなら、フットワーク軽い20~30代くらいで独立が理想ですから、分かる気がします。17~20年我慢して公務員をやるよりは、公務員を辞めて1年努力して試験をパスした方が早いですからね。
公務員から行政書士へ転職は成功するのか?
実は私の所属している支部にも、公務員を辞めて行政書士として独立した先生がいます。その先生は試験を受けて30代で行政書士となった方です。
その先生はかなり成功しています。公務員を辞める時は、あらゆる人に考え直すように止められたそうですが、今では笑い話になっているそうです。
公務員時代よりも年収アップしているそうです。やり方しだいで公務員よりも稼げるというのは夢があっていいですよね。
公務員から行政書士になるメリット
公務員として、行政書士が提出する許認可の書類を受け取る側だったのですから、とうぜん各種書類の取り扱いに精通しています。
行政書士は、実務未経験で始める人が多いなか、他より一歩も二歩もリードした状態での開業となるので有利です。
しかも、元公務員ということを売りに事務所運営をすれば、お客さんや他士業からも信用されるので軌道に乗るのも早そうです。
行政書士と公務員の兼業
公務員を辞めて行政書士業に挑戦するのには様々なリスクがあります。そのリスクを回避するためには「公務員をやりながら行政書士として開業が一番!」と言いたいところですが・・・しかし、これは禁止されています。
公務員の副業は法律で禁止されているのでダメです。ある意味、それができれば無敵ですし、何でもアリになってしまいますから、さずがに禁止ですよね。
公務員のように無試験で行政書士になれる人
基本的に行政書士は試験を受けて合格した人がなります。しかし、公務員のように行政書士の試験を受けないで行政書士になれる人もいます。
それが、こちら
- 弁護士
- 弁理士
- 公認会計士
- 税理士
これらの資格を取得すると、行政書士の資格は「おまけ」でついてきます。登録料などは免除になりませんが、登録や開業は可能です。
どの資格も、取得するのに行政書士試験を免除できるほど勉強が必要です。ちなみに、税理士さんで行政書士登録する人は多いです。
行政書士試験と公務員試験
公務員試験と行政書士試験は試験科目に共通点があります。それは、憲法、民法、行政法の科目がかぶってるということ。
公務員試験に合格した人は、合わせて行政書士試験も受験しておいた方が、将来的に人生の保険になるのでおすすめ。
まとめ
公務員は条件を満たせば試験を受けることなく、行政書士として登録や開業が可能です。条件としては、公務員として行政事務を担当し、それが通算17~20年あればOK.。
ただ、確実に無試験で行政書士になれるものの、長い期間公務員を続けなければなりません。早く行政書士で開業したいという方は、公務員を退職し、リスク覚悟で試験を受けて行政書士になるしかないです。
開業後に失敗する可能性などを考えると、公務員を定年退職した後に開業するのが無難です。