行政書士試験をネットでいろいろと調べていると、様々な意見や感想が書いてありますよね。
中には、行政書士試験は「簡単だった」「楽勝だった」とか、さらには「簡単すぎる」とう意見まであります。
本当に行政書士は簡単な試験なのか?
それとも、ネットに書かれていることは嘘で、本当はとても難しい試験なのか?
行政書士試験に合格して、行政書士の資格で開業している経験から、実際のところをお話したいと思います。
ネットの書き込みを読んで不安になった人は、ぜひ読んでみてくださいね。
行政書士試験は簡単なのか?
簡単な試験ではありません。
人によるところもありますが、少なくとも私には難しい試験でした。
開業後に他の行政書士の先生方と試験の難易度について話したことがありますが、ほぼ同じ意見だったので難しい試験なのは間違いないと思います。
ネットでの「簡単な~」という言葉を鵜呑みにして、安易に受験をすると必ず後悔することになるので注意です。
次に難易度について説明しますね。
行政書士試験の難易度
合格率は、毎年10%前後です。
100人受験しても90人は不合格になる試験です。
受験するに費用がかかります。そういった費用をかけてまで受験した人のほとんどが不合格になることを考えても簡単な試験ではないですよね。
多くの方が3回目くらいまでに合格していますが、中には5年や10年以上試験を受け続けているという方もいます。珍しくありません。
行政書士試験が簡単だと言われている理由
いろいろな理由が考えられますが、次のような理由から簡単だと評価されることが多いようです。
- 昔の試験が簡単だったから
- 業務が簡単だから
- 稼他の法律試験との比較
- 不合格者の妬み
- 稼げない資格だから
- 法律の知識のある人の書き込み
順番に説明していきますね。
昔の試験が簡単だったから
昔の行政書士試験は簡単だったそうです。なので、その時のイメージが残っていて、現在も簡単だと言われていることがあるようです。
私も仲のいい高齢の行政書士さんから聞いたことがありますが、昔はかなり簡単な試験で、ある程度勉強をすれば誰でも合格できたんだとか。
業務が簡単だから
行政書士は、その昔「代書屋」と呼ばれていた時期がありました。
文字の書けない人の代わりに、文字を書いてあげて申請等を行う仕事です。
「代わりに文字を書くだけの業務」だから、その資格を取得する試験も簡単だと思われることがあるようです。
稼げない資格だから
行政書士は、年収が低く稼げないというイメージが強いようです。
そこから「そんな資格の難易度が高いわけない」に結びついたようです。
不合格者の妬み
行政書士試験に何度挑戦しても「不合格・・・」
その妬みから「簡単」だという情報を流している人もいるようです。
他の法律試験との比較
法律系の国家資格には、行政書士の他にもいろいろとあります。
- 弁護士
- 司法書士
- 税理士
- 弁理士
- 土地家屋調査士
- 社会保険労務士
これらの資格と比較して、行政書士試験は簡単だと言われることがあるようです。
これについては「本当」です。
少なくとも、上記に並べた6つの資格は、行政書士試験よりは難易度が高いです。
法律の知識のある人の書き込み
もともと法律知識のある人が、行政書士試験を受けた場合「簡単だった」と書き込むことがあります。
例えば、行政書士よりも難易度の高い法律系国家資格を取得している方など。そういった方にとって行政書士試験はそれほど難しい試験ではないでしょうからね。
昔とは違う行政書士試験の難易度
先ほど話したように、昔の行政書士試験は簡単でした。
しかし、現在の行政書士試験は難しくないっています。
難化していく傾向にあります。
昔は、暗記のみで対処できたものが、現在では法的な思考力がないと対処できない問題が多く出題されています。暗記だけではダメで、理解することが必要になります。
行政書士試験に合格するには?
まずは、難関試験だという認識を持つこと。
そして、しっかりとした学習計画を立てて勉強していくことが必要です。
無計画にテキストの1ページ目から頑張っても効率が悪いですし、途中で挫折する可能性が高くなります。試験範囲が広いですからね。
試験を分析して、力を入れて勉強するところを絞る。配点の低いところには時間をかけないなどの対策が必要です。
「勉強を始める時期」と「必要な勉強時間」
行政書士試験には「600〜1,000時間」ほどの勉強が必要だと言われています。
時間の差が大きいのは、もともとある知識の差です。
法学部出身者や他の法律系国家資格を持っている人などは、法律を初めて学ぶ人と比較すると勉強時間は短くなります。
勉強時間の確保
働いていたりすると、この勉強時間を確保するのが大変だったりしますが、まとまった時間を確保できない人はスキマ時間を確保すれば何とかなります。
私も働きながらの合格でしたが、電車の待ち時間、寝る前の時間、食後の休憩などの時間を使って、このくらいの勉強時間を確保していました。