昔は、報酬規程のおかげで安泰だった行政書士業も、報酬の自由化によって「価格競争」に巻き込まれる時代となりました。
今回は、そんな価格競争に巻き込まれないようにするために「事務所をどうやって運営していけばいいか?」について、現役の行政書士が解説します。
価格競争に巻き込まれないようにするには?
他の事務所との「差別化」をすることが必要です。
価格競争は、どこの行政書士に頼んでも同じだと思われるから起こります。
なので、差別化をして高い価格でも納得できる理由、つまり付加価値があれば、価格競争に巻き込まれることはありません。
ネットで検索をすると分かると思いますが、どの行政書士事務所も独自のサービスで差別化しようと必死です。
どのように差別化していくか?
差別化するには「価格以外の魅力」が必要です。
どこに頼んでも同じとなってしまう業務に、付加価値をつけていきます。
例えば
- 独自のサービスを創り出す
- 定期的に顧客とのコミュニケーションをとる
- 誰もやっていない業務をやる
順番に説明します。
独自のサービスを創り出す
他の事務所ではマネすることができない「独自のサービス」を創り出します。
理想を言うと、前職の経験を活かしたサービスが良いです。
前職が同じという行政書士以外は、マネをしたくてもできないですからね。
行政書士業に関係ないものでも大丈夫です。
要は、顧客の利益になればいいので。
定期的に顧客とのコミュニケーションをとる
依頼がなくても、定期的に訪問して世間話をしたり、有益な情報を教えてあげたりします。とにかく会って、コミュニケーションをとることが大切です。
これも立派な差別化につながります。
「安心できる」とか「話しやすい」という点を、価格よりも優先させるお客さんは多いですからね。多少ほかより高くも依頼してもらえます。
顧客とのコミュニケーションがとれていると、他のお客さんを紹介してくれたりと仕事が広がっていくので、収入の安定にもつながります。
誰もやっていない業務をやる
新しい法律ができたり、法律や制度が改正されたりすると、行政書士の新しい業務が生まれることがあります。
まだネットでの情報が少ないうちに、いち早く取扱業務に加え、知識を吸収していけば差別化になります。
他の事務所が取り扱っていない以上、お客さんは、あなたの事務所に頼むしかないので、価格競争の問題に悩まされることはありません。
「他より価格(報酬)が高い」と言われたら?
差別化をしても、報酬を比較してくるお客さんはいます。「他より高い」と言われたら、その理由について、ちゃんと説明できるようにしておきましょう。
物販とかなら、どこで購入しても商品は同じなので安いものが選ばれますが、行政書士の提供できるサービスは物販とは違います。
報酬が高いなりの付加価値を説明できれば、お客さんも納得してくれます。
価格競争が激化している行政書士業務
「建設業許可」や「会社設立」といった業務の価格競争は激化しています。
会社設立あたりは「報酬0円でやります」という税理士もいます。そういった税理士は、会社設立後の顧問契約で利益を確保しますからね。競争相手として強いです。
地域によっては、車庫証明の業務も価格競争が激化しています。
ネット検索すると分かりますが、驚くほどの低価格で依頼を受けている行政書士事務所もあります。