行政書士の資格を取得したいと思っています。難易度がそれほど高くないうえ独立開業できるという点に魅力を感じました。しかし、知り合いに話したら「行政書士はやめとけ」と言われました。「食べていけない」というのが理由でした。実際のところ、どうなのでしょうか?教えてください。
といった質問に答えます。
実は、私も行政書士の受験を決めた時に、友人から同じようなことを言われました。
「路頭に迷うから行政書士はやめたほうがいい」
私の場合は、行政書士資格の使い道を具体的に決めていたので、それを友人に話して納得してもらえましたが、世間では行政書士という資格にあまり良いイメージを持っていないのかと、少し心配になったのを今でも覚えています。
行政書士の資格で開業して6年目。
実際のところ、どうなのかを話していきたいと思います。
「行政書士はやめとけ」と言われた。実際のところ…どうなのか?
取得して損はない資格だと思います。
実際のところ、私は行政書士の資格を取得して「無駄だった」と感じたことは一度もありません。
決して楽な道のりではありませんでしたが、それはどの職業でも似たようなものでしょうし、後悔もしていません。開業して現在まで楽しく行政書士をやっています。
行政書士をやっている身としては、むしろ「おすすめの資格」です。行政書士になって良かった点というか、メリットをご紹介すると次の3つではないかと思います。
- 何でも自由に決められる
- 努力しだいで稼げる
- 取扱業務を変えられる
順番に説明していきます。
何でも自由に決められる
行政書士は独立開業型の資格です。
独立開業すると、何でも自由に自分で決められます。
会社員をやっていると、自分の考えより会社の都合が優先され指示に従う必要がありますが、行政書士の資格で独立開業すれば自分中心です。
そういった点では、ストレスなく仕事ができるので幸せです。
努力しだいで稼げる
「食えない」と言われている行政書士ですが、努力しだいで、いくらでも稼ぐことが可能です。
年収1,000万円を超えている行政書士も、意外とたくさんいますからね。
しかも「兼業」ではなく「専業」で年収1,000万以上です。
羨ましいことに、ご近所にあるベテラン行政書士事務所は、年収2,000万円以上という噂です。ちなみに建設業許可&産廃専門の事務所です。
行政書士会から送られてくる資料によると、年収1億円以上という猛者も全国に何人かいるそうです。決して甘い業界ではないですが夢があって良いですよね。
取扱業務を変えられる
行政書士は業務分野が広いので取扱業務を好きに変えられます。
実際に業務をやってみて「時代の流れ」や「自分の性格」に合わないと思えば、転職することなく行政書士のまま業務を変えてしまうことが可能です。
これが意外と便利で、私のまわりでも実際にメイン業務を変えた先生がいます。
例としては次のような感じです。
車庫証明専門→建設業許可専門
相続専門→自動車関連許認可専門
こういった感じでガラリと取扱業務を変更できるのは、行政書士だけかもしれませんね。
「行政書士はやめとけ」と言われる理由について
- 収入
- 需要
- 求人
それぞれの面で不安があるからだと思います。
これについては、行政書士の資格で開業した経験からコメントしていきます。
収入
収入面に関しては、行政書士では「食えない」「収入が安定しない」と言われています。たしかに、こういった悩みをもっている行政書士は多いです。
ただ、営業やマーケティングに力を入れていけば、意外と何とかなります。
仕事を待っていないで、自分から取りに行くが基本です。
営業やマーケティングについて書かれている本を数冊読んで勉強したら「実践」「分析」「改善」を繰り返していく必要があります。
需要
AIの登場などにより、行政手続きが簡素化されたら、行政書士の仕事は無くなると言われています。
これに関しては、行政書士の仕事は確実に減りますが、無くなることはないと思っています。
どんなに手続きが簡単になっても、忙しくて自分で手続きする暇がないとか、面倒だとか、自分でやると不安だとかいう人は必ずいますし、コンサルティングが必要な業務はAIでは対応できませんからね。
また、行政書士の仕事は法律の新設や改正で新たに誕生するので、今後増えていくことも期待できます。
求人
行政書士の求人がないという問題もあります。
「就職の役に立たない」「補助者の求人がない」などです。
これに関しては、行政書士という資格はそもそも独立開業型の資格なので、どこかへ就職するために使うこと自体がズレているような気がします。
行政書士補助者の求人がないと、実務経験なしで開業することになってしまいますが、それに関してはこちらの記事で対策を書いています。
≫【行政書士開業】実務経験なしで仕事をしていくには【体験談】
まとめ
「行政書士はやめとけ」と言われて悩んでいる方は、それを言った人が「どのくらい行政書士について詳しい人なのか」を考えてみましょう。
ネットの情報を鵜呑みにして、根拠なく言っている方が多いと思います。
自分のことを心配してくれて言っているのですから感謝はしつつ、最終的には「自分の判断」ですから納得できるまで情報を集めましょう。