今回は「行政書士資格」と「履歴書」についてです。
行政書士の資格は、国家試験合格&行政書士会登録で、初めて使えるようになります。登録は義務ではないため「試験に合格した未登録の人」と「登録済みの人」がいます。
なので、このあたりを分けて履歴書に書かないと、面接する人が勘違いしてしまいます。
結果、せっかく採用されたのに取り消しなんてことにもなりかねません。
「行政書士の資格は、履歴書に何て書いたらいいのか?」のほか、「志望動機」や「無職期間がある場合の職歴欄」の書き方なども説明していきます。
行政書士の資格は、履歴書に何て書いたらいいのか?
- 試験に合格した未登録の人 ⇒ 行政書士試験 合格
- 登録済みの人 ⇒ 行政書士資格 取得
「合格」や「取得」の文字の前は、一文字分スペースを空けます。
試験に合格した未登録の人は「行政書士試験 合格」と書く
試験に合格しただけの未登録の人は、履歴書に「行政書士試験 合格」と書くのが正解です。
他にも「有資格者」なんて書き方もありますが、面接官によっては勘違いする可能性もあるので、一番分かりやすく誤解を与えない「合格」と書いておきましょう。
私自身、行政書士登録前に「行政書士試験 合格」と書いた履歴書をもって面接に行ったことがありますが、すぐに理解してもらえ面接もスムーズに終わりました。
このあたりを、適当に書いてると面接は落とされます。
そういったところをチェックしている面接官は多いです。
登録済みの人は「行政書士資格 取得」と書く
登録まで終わっている人は「行政書士資格 取得」と書きましょう。
さらに、登録の年月日まで書いてあげると親切かもしれません。
ちなみに、聞いたところによると、行政書士試験に挑戦中のまだ合格していない人は、履歴書に「行政書士試験 勉強中」と書くのも有効なようです。
取得していない資格を履歴書に書くと誤解を与えてしまいそうですが、面接時にちゃんと説明すれば、「行政書士の資格はないけど知識はある」というアピールになって印象が良くなるかもしれません。
採用試験は、どれだけ良い印象をあたえるかが勝負ですからね。
履歴書の資格欄に書く「合格」と「取得」の使い分け
行政書士の資格にかかわらず、履歴書の資格欄に書く「合格」と「取得」はきちんと使い分けましょう。そのほうが後々トラブルになりません。
行政書士資格のように、登録などの手続きをしないと資格が使えない場合は「試験 合格」と書き、登録などの手続きが終わり資格が使える場合は「資格 取得」と書きます。
後々になって「資格がすぐに使えると思ったから採用したのに…」なんて、言われないようにしましょう。
履歴書の「志望動機欄」の書き方
志望動機欄は、なぜ応募してきたかを書く欄です。
ここをどのように書くかも採用に大きく影響します。
最低でも次のことは書きましょう。
- 行政書士の資格を選んだ理由
- その企業や事務所を選んだ理由
- 入社後の目標
- その他、アピールできること
順番に説明していきます。
行政書士の資格を選んだ理由
数ある資格の中から「行政書士」という資格を選んだ理由は必ず書きましょう。行政書士の資格を取得している人は、さらに独立開業ではなく就職を選んだ理由も書きましょう。
漠然とした理由ではなく、より具体的に書けば印象も良くなります。
例えば、
- 過去の~という経験から行政書士を目指した
- 〇〇が解決できるのは行政書士だけだと思ったから
- 〇〇を助けたいと思い行政書士の資格を取得した
といった感じです。
その企業や事務所を選んだ理由
採用する人が志望動機で一番気になるところです。
ここも漠然とした理由ではなく、より具体的に書きましょう。
その企業や事務所の「強み」をホームページ等で調べて、その強みに共感できるような理由を書くと印象が良くなります。
入社後の目標
「入社後の目標」を書くことも大切です。
目標がない人は成長も遅いですからね。
入社後の目標としては、
- どのような業務をやりたいのか?
- どのような貢献をしたいのか?
- どのような経験を積んでいきたいのか?
などを具体的に書いていきます。
その他、アピールできること
上記の3つ以外でも、何かアピールできる点があれば書いておきましょう。
例えば、
- 過去の経験や実績
- スキル
- 長所
などです。
ちなみに「コミュニケーション能力の高さ」を、志望動機欄でアピールするのも効果があると思います。どんな仕事でも社交的な人材は求められますからね。
無職期間がある場合の職歴欄の書き方
無職の期間があって、履歴書の職歴欄に空白ができてしまう人は、その理由を書くようにしましょう。
採用担当で、その部分を気にする人は多いです。面接でも質問されると思いますので、しっかりと説明できるようにしておきましょう。
例えば「行政書士の資格取得のために勉強をしていた」とか、無職期間は理由を明確に説明できればマイナスとはなりません。
結果が伴ってなくてもOK
無職期間の理由が「資格の勉強」だったとしても、必ずしも資格取得などの結果が伴っていなくても問題ありません。
どんなに勉強を頑張っても資格を取得できないことはありますからね。
ただし、つじつまが合わない嘘をつくのはマイナスになるので注意です。
行政書士の資格は登録したほうが良いのか?
先ほど、行政書士の登録は義務ではないと話しましたが、そうは言っても「登録したほうが良いのではないか?」と心配される方もいるようです。
特に行政書士試験に合格したばかりの方は気になると思います。
行政書士の資格は、未登録でも全然大丈夫です。
それどころか、かなりの数の試験合格者が未登録です。
ちなみに、登録する際に行政書士会へ支払う費用は、都道府県によって違いはありますが「20万~30万」ほどかかります。なかなか高額です。
なので、登録するのは基本的に開業する予定の方です。
行政書士の資格で稼ぐ予定もないのに、登録するのは無駄です。
行政書士の名称の使用制限について
行政書士試験に合格した未登録の人は「行政書士」ではありません。
正しくは「行政書士有資格者」です。間違っても行政書士と名乗らないようにしましょう。
行政書士法19条の2に「名称の使用制限」が定められており、「行政書士でない者は、行政書士又はこれと紛らわしい名称を用いてはならない」とあります。
行政書士になる前に、うっかり行政書士法違反なんて笑えませんから注意です。
履歴書に書いた行政書士の資格は評価されるのか?
中小企業の法務部や総務部では、評価してくれるところもあります。
ただ、会社によって評価にだいぶ差があるようです。
行政書士試験合格のための知識は、様々な法律を理解し扱うための基礎になります。
なので、一定の評価はしてくれますが、即戦力として評価はされにくいです。
採用が見送られるようなこともあります。
ただ、同じような人材が2人いた場合、間違いなく行政書士の資格を持っているほうが優遇されます。行政書士と関係ない分野の企業に面接に行く場合も、資格があるなら書いておくのをおすすめします。
行政書士登録の際に提出する履歴書
ちなみに、行政書士会への登録の際に、申請書と一緒に履歴書を添付することになっています。
よく見る一般的な履歴書とは違う「行政書士登録専用の履歴書」です。学歴や職歴のほかに、行政書士事務所のことや業務遂行についての欄が設けられています。
この履歴書は、嘘を書いたりすると、登録を取り消される可能性があります。
書く際は間違いがないように慎重に書きましょう。
まとめ
今回は、「行政書士の資格は、履歴書に何て書いたらいいのか?」について解説しました。
試験に合格しただけの未登録の人は「行政書士試験 合格」、登録済みの人は「行政書士資格 取得」と履歴書に書きましょう。
ちなみに面接では、履歴書も重要ですが、マナーやコミュニケーション能力も評価します。資格が優遇されるような会社や事務所でも油断は禁物です。
この記事を読んでくれてる方は、近々履歴書を使う予定のある方だと思います。
希望の職場で働けるよう頑張ってください。