行政書士の業務である書類作成には、多くの資料が必要になります。
戸籍や住民票、登記簿謄本、固定資産税評価証明書などなど。
どれも役所等で比較的簡単に入手することができます。
これらの書類は、行政書士が取得したほうが良いのか?
それとも、依頼人に取得させたほうが良いのか?
正解は「行政書士が取得する」です。
今回は、書類作成に必要な「資料の取集」を依頼人に任せてはいけない理由について説明します。
書類作成に必要な「資料の取集」を依頼人に任せてはいけない理由
それは「仕事が遅くなる」からです。
業務を効率良く進めたいなら、依頼人に任せてはダメです。
官公署に行けば簡単に取得できる書類だとしても、やはり慣れていない依頼人だと時間がかかります。
依頼人から資料がもらえないと、書類作成も遅くなります。
業務を効率的に進めるために、書類作成に必要な資料の収集は依頼人に任せるのではなく、行政書士自身が行うようにしましょう。
依頼人に任せて後悔した話
私の専門である相続業務を例すると、書類作成の資料として、戸籍や住民票、登記簿謄本、固定資産税評価証明書等が必要となることが多くあります。
開業間もない頃、それらの収集を依頼人に任せたこともありました。
理由としては、依頼人が書類を取集している間に、他の業務を進めていたほうが効率的だと考えたからです。
しかし、現実は違いました。私が他の業務を終わらせる以上に、依頼人の書類収集に時間がかかってしまい、結局待たされる結果となりました。
委任状をもらって自分で取得したほうが、圧倒的に早かったと後悔しました。
それ以降、書類作成に必要な書類の取得を依頼人に任せることは、基本的になくなりました。
依頼人に取得を任せたほうがいい資料について
人によって違う意見もあると思いますが、私は「印鑑証明書」の取得については依頼人に任せたほうが良いと思っています。
理由は次の通り
- 預かった印鑑登録証を紛失する可能性がある
- 印鑑登録証を返却するのに手間がかかる
- 印鑑証明書発行の手続きが難しくない
こうした理由から、印鑑証明書の取得については依頼人に任せるようにしています。
必要な資料の取得費用はどうすれば良いのか?
- 最初に依頼人から預かっておく
- 立て替えておいて後で請求する
のどちらかになると思います。
どちらでも問題ありません。やりやすいほうでOKです。
私の場合は、着手金として報酬の半分を先にもらうので、そこから資料の取集にかかる費用を立て替えるといった感じです。