行政書士の資格だけで開業するのが不安。
と悩んで、他資格の取得を考えている方は少なくないと思います。
今回は、その候補のひとつである「マンション管理士」について解説します。
行政書士とマンション管理士の相性は良いのか?
私は、行政書士のほか、マンション管理士の資格も取得しています。マンション管理士については登録していませんが、まわりに行政書士とマンション管理士のダブルライセンスで開業している先生が多くいますのでいろいろと情報が入ってきます。
ダブルライセンスでの開業は、どの資格を組み合わせるかで人生が変わります。
この記事は、マンション管理士の資格を取得を検討している方の判断材料になると思います。
行政書士とマンション管理士の相性は良いのか
マンション管理士は、マンションの管理組合や区分所有者の相談に応じて、助言、指導、援助等を行うことを業務とする専門家です。
行政書士同様、国家資格です。
ダブルライセンスでの開業を考えた時、行政書士との相性はどうなのか?
これに関しては『良い』と言えます。
以前、このブログで司法書士や社労士をおすすめしましたが、マンション管理士もおすすめです。
≫行政書士からのステップアップにおすすめの資格【司法書士/社労士】
行政書士業務が発生する
マンション管理士として業務を遂行していれば、必ず行政書士業務が発生します。
- 建物や管理規約の管理・書類作成
- 区分所有者間のトラブル・悩みの解決
こういった業務をしているうちに、管理組合から行政書士業の依頼を受けることもありますし、場合によっては区分所有者の個人的な問題の相談を受けることもあります。たとえば遺言や相続などです。
マンション管理士は、人が生活する「場所」に関わる仕事なので、様々な相談を受けやすい立場にいます。業務範囲の広い行政書士と組み合わせると、相乗効果が期待できます。
実際に、両方の資格を活かして開業している事務所は珍しくありません。
ネット検索してみると、かなり多くの事務所がヒットします。
独立開業しやすくなる
行政書士は独立開業型の資格ですが、マンション管理士は、独占業務がない関係で独立開業しにくい資格とも言われています。
行政書士と兼業することで、マンション管理士は独立開業しやすくなります。行政書士側としても他の事務所との差別化が図れるので、営業しやすくなります。
新たな業務が生まれる可能性がある
マンション管理士が比較的新しくできた資格ということもあり、行政書士とマンション管理士の連携した業務は、まだまだ未開拓な部分が多いです。
新たな業務を作り出せれば、その道の第一人者となり利益が期待できます。
ダブルライセンスで開業予定の方は、試行錯誤してみましょう。
知り合いに、そのあたりの挑戦を続けている先生がいて、いろいろと話を聞かせてもらっています。いずれ別の記事で紹介します。
注意点:中途半端な知識で行動を起こさないこと
新たな業務を生み出す際の注意点です。
場合によっては損害賠償を請求されることもあります。
知り合いの先生は、新たな業務に挑戦する際は、事前準備として『何かトラブルが発生しないか』『違法な点はないか』を、先輩行政書士や弁護士に相談しているそうです。
法律家として依頼を受けて活動する以上、そういった手間は惜しまないようにしましょう。
行政書士試験とマンション管理士試験の難易度【合格率】
マンション管理士試験:合格率7~9%
合格率だけを見るとマンション管理士のほうが難易度が高い感じがしますが、実際は行政書士試験の方が難しいです。
私は両方の資格を取得していますが、行政書士試験のほうが大変でした。
ちなみにマンション管理士試験は、建築や設備などの知識も要求されます。そういった科目が苦手な方はマンション管理士の方が難しく感じるかもしれません。
試験形式の比較
試験は、どちらもマークシートです。
行政書士が、5肢択一の3時間試験。
それに対して、マンション管理士は、4肢択一の2時間試験です。
行政書士は法律的知識を広く要求されますが、マンション管理士は、マンションに関連する法律的知識のほか建築や設備の知識も要求されます。
どちらの資格を先に取得すべきか?
資格をまだ取得していないという人は、行政書士の資格から取得するのがおすすめです。
理由は、とりあえず開業できるからです。
マンション管理士だけでも開業はできますが、行政書士資格の方が業務範囲が広い分、開業初期の段階で稼ぎやすいと思います。行政書士事務所を運営しながら、マンション管理士試験に挑戦するかたちで良いと思います。
行政書士とマンション管理士、両方の資格を活かすには
2つの資格を活かすにはどうすれば良いのか?
マンション管理士として、管理規約や使用細則、長期修繕計画、区分所有者間のトラブルなど、管理組合や区分所有者の相談に答えていきましょう。そして、それを続けていきましょう。
そうすれば、自然と信用が生まれてきますので、行政書士業務へとつなげることができます。
例えば、
・管理組合からの管理費滞納についての相談→内相証明郵便の依頼
・区分所有者→遺言、相続などの依頼
ちなみに、信用がないうちに行政書士業務の押し売りをしては、マンション管理士としての信用もなくなりますので注意です。
まとめ
行政書士とマンション管理士の『相性は良い』です。
マンション管理士として、管理組合や区分所有者の相談に答えることで信用が生まれ、業務範囲の広い行政書士業へ仕事がつながっていきます。相乗効果も期待できます。
この2の資格で開業している事務所がまわりにいくつかありますが、マンション管理士という資格が他の事務所との差別化になっており、比較的安定した事務所運営ができています。
ダブルライセンスの候補のひとつとして検討してみてください。
今日はここまでです。
よろしければ、こちらの記事もどうぞ。
≫行政書士の資格で開業「食える?」「食えない?」現役行政書士が説明
≫【無駄】行政書士だけでは不安だからダブルライセンスで開業する