行政書士の資格は取得しても意味がないのか?【開業した経験から話します】

行政書士開業
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こんにちは、ひろです。

「行政書士の資格を取得しても意味がない」
ネットで、こんな言葉を目にしたことがあります。

行政書士の資格は取得しても意味がないものなのか?

行政書士歴5年の管理人が、実際のところどうなのかを話していきたいと思います。

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行政書士の資格は取得しても意味がないのか?

私は行政書士の資格取得が意味のないものだとは思いません。行政書士として生活しているわけですから当然ですが、とても意味があるものだと思っています。

実際に行政書士として生活していくなかで、行政書士の資格を取得して良かったなと思うことは多々あります。

どうして「意味がないもの」だと思われているのか?

簡単にまとめると、次に該当する場合にそう思われることが多いです。

  • 行政書士の資格を独立開業以外で使おうとしている人
  • 行政書士として開業したものの食べていけない人
  • 行政書士ではない人

それぞれ簡単に説明していきます。

行書士の資格を独立開業以外で使おうとしている人

行政書士は、独立開業型の資格です。
なので、独立開業以外の目的で資格を取得しても、あまり意味がありません。

その代表的なものが「就職」です。

就職や転職の際に、履歴書に「行政書士」と書いても、資格を取得した能力と努力に対しては評価してもらえるものの、行政書士の資格自体には高い評価は期待できません。

就職先が行政書士事務所やその他の士業事務所であるなら、行政書士という資格に対して、それなりに評価はしてくれると思いますが、それほど有利にはなりません。

行政書士試験は、合格率10%前後の難関試験です。
取得するには、500~1,000時間程度の勉強が必要です。

苦労して取得した分、評価されないのはキツいです。

そういった人からすると、行政書士という資格は意味のないものになってしまうことが多いです。

行政書士として開業したものの食べていけない人

私が開業して以降、このケースで「行政書士の資格取得が意味ない」と言う人を多く見てきた気がします。

頑張って資格を取得したもの、行政書士として仕事がない、稼げない、食べていけない、生活できない…これだと、意味ないと思ってしまいますよね。

行政書士ではない人

ネットでは、行政書士でないばかりか試験勉強すらしたこともない人が、「意味のない資格」とマイナスな意見を言っている場合があります。

そういった人の意見を参考にしてはダメです。なにかを決断するのに参考にするような情報は、誰が書いたものなのかを調べることも重要です。

ネットは気軽に情報を探せるぶん、適当な情報も多いです。

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行政書士の資格を取得しても行政書士にならなければ意味がない

資格は使ってこそ、意味があります。

先ほども言いましたが、行政書士試験は難関試験です。
資格を取得するには時間も費用もかかります。

使う気がないのに目指すのは、いろいろと勿体ないです。受験を決める際は「行政書士として仕事していく気があるのか?」よく考えることが大切です。

合格しても登録しない人が多い

行政書士の資格は、行政書士会に登録しないと使うことができません。しかし、行政書士試験に合格しても登録しない人は多いのが現実です。

聞くところによると、合格者の半数以上が登録をしないそうです。

費用はかかりますが、合格した人は登録・開業をおすすめします。
想像もしていなかったメリットがあります。

行政書士試験の勉強内容は意味がある

資格を取得できるかは置いておいて、行政書士試験の勉強すること自体はとても意味があることです。

残念ながら行政書士の実務では使えない知識が多いですが、日常生活で法律トラブルを解決することもできますし役に立ちます。

法律の基礎を勉強することになるので、いろいろな法律を理解したい時などにも便利です。

行政書士の資格を取得するメリット

いろいろとありますが、メリットして大きいのは次の2つです。

  • 独立開業ができる
  • 独占業務がある

それぞれ説明していきます。

独立開業ができる

行政書士は独立開業できる資格なので、とても便利です。

会社などに依存することなく、自分の力でお金を稼いで生活をしていくことができます。

給料やボーナスなどがなく、仕事も自分の力で獲得しなければなりませんが、すべてを自分の判断で決めていくことができるので自由です。

独占業務がある

独占業務とは、その資格を取得していないと扱うことができない業務のことを言います。

行政書士にも、独占業務がいくつかあって、簡単に書くと「官公庁へ提出する書類」や「権利義務に関する書類」、「事実証明に関する書類」の作成や相談があります。他の法律で制限されていなければ業務として扱うことができます。

資格を取得していない人が業務として行うと違法となります。

行政書士の将来性

行政書士の資格が意味ないと考える人の中には、AIや電子申請化による影響を理由にしている方も多いようです。

たしかに、AIや電子申請化の影響で、行政書士の仕事は減っていくのは確実だと思います。これは否定できません。電子化できるような簡単な手続きを、行政書士に任せたいという人は減ってくると思います。

しかし、それによって行政書士に将来性がなくとなるとまでは行きません。行政書士の業務の中には、AIや電子申請化に向かない業務も数多くあります。

例としては建設業許可や相続などの手続きです。コンサルティングの要素が強いので、これを電子化するのは大変です。

行政書士の業務は増えていく

行政書士業務は、AIなどの影響によって減っていく一方で、法律や制度の改正によって、毎年のように増えています。

最近ですと、民泊やドローン、持続化給付金などの手続きです。積極的に動いて、かなりの売上を記録した事務所を知っています。

こういった流れを見ると、行政書士の将来性は十分にあることが分かると思います。

【廃業回避】専門分野を絞る

行政書士業がうまくいかなくて、行政書士の資格を意味のないものだと考えている先生は「専門分野を絞る」ことをおすすめします。

どの開業本にも書かれていることですが、専門分野を絞って、特定の分野のプロフェッショナルになったほうが稼げます。

「知ってるよ」という声も聞こえてきそうですが、頭で分かっていても行動できない人は多いです。

仕事が少ないからと、どんな業務も手当たりしだいに受任していませんか?

オールマイティに業務を受けるのも悪いことではないですが、効率が悪く食べていけるようになるまでに時間がかかりすぎます。行政書士で儲かる業務はそれぞれ奥が深く、そう簡単にマスターできるものではありませんからね。

多少の赤字は覚悟して、アルバイトしてでも、業務を絞ることが考えたほうが、行政書士の資格だけで食べていけるのは早いと思います。

ダブルライセンス

行政書士の資格を活かすなら、司法書士や土地家屋調査士など、他の士業とのダブルライセンスもおすすめです。

ワンストップサービスを提供できることで、他の事務所との差別化も図れますし、収入のアップも期待できます。

私の知り合いの先生は、社会保険労務士と行政書士とのダブルライセンスで、年収1,000万円以上を確保しています。

資格の組み合わせ方や、取り扱う業務によっては、かなりの相乗効果が期待できます。

行政書士の資格取得を意味のあるものにするには?

行政書士の資格取得を意味あるものにするには、受験を決める段階から「取得後の使い方」について考える必要があります。

試験にさえ合格すれば、後は何とかなるだろう…

という考えの人が、開業後に失敗しやすいので注意です。より具体的に開業後のことを考えられるほど、成功する可能性は高くなります。

まとめ

行政書士の資格取得は、決して意味がないものではありません。取得すれば独立開業、独占業務などを行うことができ、同時に社会的評価や信頼を得ることができます。

より意味のあるものにするために「努力」を怠らないように注意しましょう。

ちなみに、ひと昔前は、単純な手続き業務で食べていけた行政書士という仕事も、最近ではそんなに簡単に食べていけなくなっています。

私が知っている限りだと、コンサルティング能力の高い行政書士は安定して食べていけてます。営業やマーケティング、コンサルティングなど、行政書士に求められる能力は年々増えています。