行政書士の資格を取得したけど、実務経験がないのに開業しても大丈夫かな?どこかの事務所で補助者として経験を積んだほうがいいのかな?それとも予備校の実務講座を受けたほうがいいのかな?
という疑問に答えます。
私は、行政書士開業4年目ですが、実務未経験から始めました。
その経験から語ります。
行政書士の仕事は実務未経験でもできる
「実務経験がない・・・」
「依頼が来ても、ちゃんと対応できるかな?」
開業前の不安な気持ち、痛いほど分かります。
私自身が、実務経験がまったくない状態での開業だったので。
でも、結論から言うと実務経験がなくても開業は可能です。
そして、依頼があっても、何とかなります。
実務未経験は事前に勉強でおぎなえる
事前にいろいろ調べたり、勉強したりするだけで、依頼があった時にかなり対応することができます。実務は勉強できるものです。
ひと昔前と違って、行政書士の実務に関する書籍もだいぶ増えてきました。自分の事務所でメインとして取扱う業務の本を、何冊か買って読み込めば大丈夫です。
それだけで、素人から一歩進んだ対応が可能になります。
あとは、実務の流れに合わせて、官公署に相談したり、先輩行政書士に相談したりしていけば、何とか依頼を完了させることできます。
必要書類を調べて準備しておく
あと、事前勉強のほかに、事前準備できる書類を揃えておくのも大切です。
見積書や請求書、領収書、書類送付状、FAX送信表などの、基本的な書類の準備は当然として。
官公署に提出する書類のひな型や、手引きなどは、提出先となる官公署のホームページ等で入手することができるので、事前に準備して読んでおく。
行政書士補助者として実務の経験を積むのは難しい
本当は、実務の経験があれば一番いいです。
でも、その場合、行政書士事務所で補助者として働くことになるんですが…。
とにかく、求人募集が少ないので難しいと思います。
都心部から離れれば離れるほどに。過疎地に近いことだと募集がないじゃないかと。
私も、開業前に補助者の求人を探しまくりました。
数件見つかって面接にいったのすが、条件に合わず断念。
ちなみに、私の住んでいる地域は人口が多いほうです。なのに、求人募集は、数か月に2~3件です。長い通勤時間になるのを覚悟して探したのにです。
補助者の募集が少ない理由
行政書士は個人でやってる人が多いので、補助者を雇う余裕や必要がないという事務所が多いです。
また、忙しい時期には、身内に手伝いを頼んだり、所属している行政書士会の支部の仲間に頼めば手伝ってくれるので、補助者をわざわざ雇う必要がないのです。
「人を雇う」って、結構いろいろと手続きが面倒ですから、ただでさえ忙しいのにそんな面倒な手間をかけてまでという事務所もないでしょうから。
他士業の事務所で実務経験を積む
行政書士事務所で実務経験を積む以外でも、税理士事務所や社会保険労務士事務所での経験も行政書士事務所を開業した際にはプラスに働きます。
しかも、行政書士事務所に比べれば、税理士や社労士の事務所のほうが全然募集が多いので、求人を見つけやすいです。
実際に、行政書士になる前は、税理士事務所にいました。とか、社会保険労務士事務所にいました。なんて先生も少なくないですからね。
不安なら資格の予備校が実施している「実務講座」へ
「開業するにあたり、実務未経験はどうしても不安…。」
「未経験すぎて、開業しても何をしたらいいか分からない…。」
という人は、資格の予備校がおこなっている実務講座もおすすめです。
メリットとしては、自分が取り扱いたい業務の実務知識が学べるのはもちろん、自分の知らなかった分野の知識まで広く学べるので、開業後の選択肢が増えること。
また、講師の先生のほか、自分と同じくらいの時期に開業した仲間と知り合うことができるという点。今後、互いに相談しあうこともできるのでメリットとしては大きいです。
ひよこ狩り狩りに注意
実務講座を受講する際は、ひよこ狩りに注意です。
ひよこ狩りとは、開業まもない何も知らない新人を食いものにする商売。
お金をとることを目的としているので、実務講座の中身が薄かったり、不要なものを買わされたりと最悪なので気を付けましょう。
判断に悩んだ時は、支部の先輩行政書士に相談するといいです。
開業まもない頃、その手の営業は誰もが受けますから、必要か不要か教えてくれると思いますよ。
実務経験は成功者のブログからも学べる
ブログを書いている行政書士は多いです。
中には、実務をどう学んだとか、どこから資料を取り寄せたとか、分かりやすく解説してるブログもあります。
そういったブログを定期的に読んで学ぶのも有効です。
ただ、間違った情報や、その土地特有の処理の仕方だったりすることもあるので、情報をもとに行動する際には必ず裏づけをとってからにしましょう。
本当に必要なのは営業・マーケティングの知識や経験
開業前はどうしても実務経験のありなしが気になりますが、本当に必要となってくるのは、営業やマーケティングの経験や知識です。
実務経験はあくまで、依頼があってからのもの。
でも、その依頼がないのでは意味がありません。
この記事を読んでいる人は、開業まもない人だと思います。時間に余裕のある人は、営業方法やマーケティングについて書かれた本を読むことをおすすめします。
まとめ
行政書士として開業するにあたり、実務経験は必須のものではありません。未経験でも開業して依頼をうけて、仕事を完了させることは可能です。
ただ、仕事がスムーズに進むように、というか、お客さんに迷惑をかけないために、事前にできる限りの勉強や準備をしておきましょう。
「どうしても実務経験を積んでからでないと・・・」という人は、資格の予備校が実施している実務講座を受講するのも有効です。ただ、ひよこ狩りがあるのも事実なので、受講するなら有名予備校のものがおすすめです。