【行政書士試験】独学での合格が無理ではない理由【合格率と試験内容から理由を説明】

行政書士試験
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結論を先に言ってしまうと、行政書士試験に独学で合格するのは可能です。

間違った勉強方法をとってしまうと合格は難しいですが、正しい勉強方法をとれば働きながらでも合格できます。

実際に私は、働きながら独学で行政書士試験に合格していますし、毎年多くの合格者が独学です。

今回は、行政書士試験の独学での合格が無理ではない理由について、「合格率」と「試験内容」という2つの視点から説明していきたいと思います。

「行政書士の資格は欲しいけど独学は無理かな…」と悩んでいる方は、ぜひ読んでみてください。独学で挑戦する気になれます。

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行政書士試験の「合格率」から独学での合格が無理ではない理由を説明

独学での合格が無理だと思ってしまう理由のひとつに「合格率」が低いということがあります。

行政書士試験の合格率は10%前後です。100人受験したら90人は不合格です。
年度によって違いますが、大きく変わることはありません。

この合格率だけを見てしまうと「難しいそうだな…」とか「独学は無理なんじゃないかな…」と思ってしまう方が多いと思います。合格率10%は、どう考えても難易度が高いですからね。

しかし、行政書士の合格率は気にしなくても大丈夫です。

理由としては、次の通り

  • 受験申込者数が多い
  • 勉強不足の人が多い

それぞれ説明していきます。

受験申込者数が多い

行政書士試験は受験資格がありません。

試験の実施機関である「一般財団法人 行政書士試験研究センター」が配布している受験案内にも「年齢、学歴、国籍等に関係なく、どなたでも受験できます。」と書いてあります。

誰でも受験できる試験なので、申込者数は多くなります。

勉強不足の人が多い

行政書士試験は、受験手数料7,000円を支払えば、誰でも簡単に申し込みをすることができます。

よくあるのが、申し込みの段階では「やる気満々」だった人が、何らかの理由で勉強をしなかったケースです。

  • 仕事が忙しかった
  • 勉強に飽きてしまった
  • 体調を崩してしまった

など、理由はいろいろあると思いますが、結局のところ行政書士試験は「勉強不足」で受験する人が多いです。

「受験手数料で7000円も払ったんだから、択一問題多いしダメ元で受験してみようかな」といった感じで勉強不足でも受験します。行政書士試験は、そんなにあまい試験ではないので当然落ちます。

受験資格がないことから受験者数が増えて、なおかつ勉強不足の人が多ければ、当然合格率は低くなります。本気で勉強した人だけの合格率が出せれば、かなり高くなるのではないかと思います。

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行政書士試験の「内容」から独学での合格が無理ではない理由を説明

行政書士の試験科目は、民法や行政法、商法、一般知識など幅広く、出題形式も五肢択一式、40字記述式、多肢選択式と様々です。試験も難化傾向にあります。

詳しくは、こちらの記事でまとめています。
≫【行政書士試験】試験科目「法令・一般知識」について【択一式・記述式】

ここまででも、いろいろと対策が必要ですが、そのうえ「足きり」もあります。

  • 法令等科目で満点の50%以上
  • 一般知識等科目で満点の40%以上
  • 全体で満点の60%以上

これらの足切りをクリアしないと不合格確定です。
すべてクリアすることが必要で、ひとつでも足切りに引っかかったら落ちます。

試験内容を考えると独学での合格は無理なのか?

一見無理そうな感じもしますが、独学での合格は十分可能です。

理由としては次の通り。

  • 試験に関する情報収集が容易
  • 市販されている参考書が優秀

それぞれ説明していきます。

試験に関する情報収集が容易

インターネットがあるので、行政書士試験に関する情報収集が容易にできます。

合格した人の使用教材や勉強方法などを、簡単に調べることができます。これができるだけでも、独学で行政書士試験に挑戦する難易度はだいぶ下がります。

「足切り対策」や「一般知識対策」などは、知っているのと知らないので全然違いますからね。

市販されている参考書が優秀

先日、このブログでも基本テキストをご紹介しましたが、市販されている行政書士の参考書がとても優秀です。
≫【行政書士試験】おすすめの基本テキスト3選【合格体験記より】

フルカラーだったり、図表を多く使っていたりと、理解しやすい&覚えやすい工夫がされていています。出版社ごとに独自の工夫がされているので、その中から自分に合うものを選ぶことができます。

「インターネット」と「市販されている参考書」を活用すれば、先ほど説明した受験内容での不安も解消することができます。

行政書士試験は「落とす試験」ではなく「合格させる試験」

先ほど「足切り」の話をしましたが、足切りは逆にいうと「基準をクリアすれば合格できる試験」でもあります。

試験には2種類あります。

  • 落とす試験
  • 合格させる試験

落とす試験の具体例としては「大学入試試験」などがあります。基準点をクリアした人を全員入学させるわけにはいかないので、大学の定員を考えて成績の上位の人が合格します。

行政書士試験は、大学入試のように定員がないので、基準をクリアした人は全員合格になります。なので「合格させる試験」とも言うことができます。

行政書士試験は、頑張って勉強すれば合格できる試験です。
得点を競う必要がないので、ライバルは自分だけです。

法律初学者の独学は無理?法学部出身が有利なのか?

行政書士試験は法律系の試験です。

「法律初学者が独学で挑戦するのは無理なのでは?」と悩む方もいると思いますが、そんなことはありません。法律初学者でも独学での合格は可能です。

よく法学部出身者が有利なんて聞きます。たしかに法律の基礎を知っているという点では、たしか法学部出身者が有利です。

しかし、行政書士試験で出題されるレベルの法律知識は、そこまで難易度が高いものではないです。初学者でも数ヵ月もあれば追いつくことができます。

法律初学者が独学で行政書士試験に合格するのに必要なこと

それは次の2つです。

  • やる気
  • 勉強時間の確保

それぞれ説明していきます。

やる気

初めて法律を学ぶ人にとって、行政書士の試験内容は難しいです。
でも「やる気」さえあれば何とかなります。

知り合いに、初めて取得した国家資格が「行政書士」だったといういう人がいますが、合格後にやりたい仕事がハッキリしていたため、やる気がすごかったです。結果として一発合格しました。

逆に有名大学の法学部出身で、行政書士試験に2度落ちて、3回目で何とか合格した先生を知っています。

これらの例は、たまたまかもしれませんが、やる気があれば勉強する内容が多少難しくても挫折しないで乗り越えることができます。やる気は重要です。

勉強時間の確保

受験予備校を利用する人にくらべて、独学は勉強に時間がかかります。

教えてくれる講師がいないので、教材や分からないことを自分で調べたりする時間が余分に必要だからです。

さらに、法律初学者は、法律を学ぶための基礎を勉強したり、コツが分かるようになるのに時間がかかります。

なので、「勉強時間の確保」は必須です。
目安として800時間は確保したいところです。

勉強開始時期が早いほど、1日あたりの勉強時間を減らすことができるので、受験することを決めたらすぐに勉強を開始することをおすすめします。

行政書士の試験勉強にまとまった時間は必要ないので、隙間時間を活用して勉強時間を作り出しましょう。試験日までに勉強が間に合わなかったら意味がないので、余裕をもって学習計画を立てることが大切です。

何度も不合格になっている人は無理しないで受験予備校を利用しましょう

あまり独学での合格にこだわると、試験勉強が長期化します。
次にあてはまる人は、無理しないで受験予備校の利用を検討してみましょう。

  • 勉強時間を確保できない人
  • 何度も不合格になっている人

特に、何度も不合格になっている人は、勉強方法が間違っている可能性があります。間違った方向で勉強を続けても、結果は変わりません。お金や時間を無駄にするだけです。

費用はかかりますが、合格する確率は高くなるので検討してみましょう。行政書士試験を長年研究している有名受験予備校のノウハウは、確実に独学よりも効率的です。勉強時間の節約にもなります。

まとめ

今回は、行政書士試験を受験するにあたって「独学での合格が無理ではない理由」について解説しました。

独学での行政書士受験を悩んでいる方は、挑戦してみることをおすすめします。
独学で合格した経験は、その後の自信にもつながります。

頑張ってみてください!

最後に…

合格前から、これを言うとテンションが下がるかもしれませんが、行政書士という資格は「合格後のほうが勉強することになる」という事実です。

合格するために勉強した内容が、実務ではあまり使えません。
なので、実務についての勉強が試験合格後に必要になります。

私も行政書士になって5年目ですが、勉強は続いています。
おそらく行政書士である限り、一生続きます。

何か言いたいかというと、行政書士試験合格はゴールではないということです。
ゴールを「合格」にしてしまうと、行政書士として働き始めてから挫折します。

「合格後があるのだから、さっさと試験なんて乗り越えてやる」という意気込みが必要です。