行政書士にもコンサルティング能力は必要なのか?
書類作成のプロである行政書士にも、コンサルティング能力は必要です。
今の時代は必須かもしれませんね。
行政書士が「代書屋」と言われていた時代には、それほどコンサルティング能力は必要なかったのかもしれませんが、現在ではコンサルティング能力で行政書士が評価される時代になっています。
まわりの先生方を見ても、成功しているのはコンサルティング能力の高い人ばかりです。
本記事では、行政書士のコンサルティング能力について、必要性や高め方や注意点などをご紹介していきたいと思っています。
コンサルティング能力の高い行政書士が評価される話
依頼人は、書類を作成してくれるだけの行政書士を求めている訳ではありません。
自分の話を親身になって聞いてくれ、その事情に合わせて最適な提案や手続きをしてくれる行政書士を求めています。
なので、書類を作成してくれるのは当然として、その行政書士のコミュニケーション能力を含めたコンサルティングの部分を高く評価します。
どの業務も少なからずコンサルティングが必要
行政書士の業務範囲は広いですが、どの業務でも少なからずコンサルティング能力が必要です。
特に今後、建設業許可や相続・遺言の業務では、コンサルティング能力によって売り上げに差が出てくるのではないかと思います。
次の依頼につなげることができる
依頼人が行政書士のコンサルティング能力を高く評価すると、その依頼人からの紹介が期待できます。
ものすごく良いサービスなどを受けると、誰かに教えたくなりますよね?
行政書士から受けるサービスも同じで、依頼人を満足させることができれば、次の依頼につなげることができます。
行政書士業には、単発と言われる業務が多いですが、顧客を満足させることができれば継続した業務へと変えることができます。
安定した売り上げの確保
次の依頼につなげることができれば、行政書士業の売り上げが安定します。
行政書士は、税理士や社会保険労務士のように顧問契約をしてもらうのが難しいですが、コンサルティング能力を高めることで、安定した収入を得ることが可能になります。
実際に、単発と言われている業務を、継続的に受任して事務所運営している先生はいます。
コンサルティング能力を高めるには?
行政書士業にコンサルティング能力が必要だということは、いつだったか盛んに言われている時期がありました。
その時に、コンサルティングを業務のひとつに加えた事務所も多いと思います。
でも、実は失敗した人も多くいました。
理由のひとつとしては、コンサルティングを「ただ相談にのれば良い」と思っている人が多くいたからです。
コンサルティングは、そんな簡単なものではありません。
それなりの勉強や経験が必要になります。
コンサルティング能力を高めるには、たくさんの依頼を受けて実践して経験を積んでいくのが一番だと思いますが、まずはコンサルティングについて書かれた本を読んでみることをおすすめします。
そこから経験を積んでいったほうが、成長が早いです。
失敗を恐れない
長い行政書士生活では、コンサルティングが上手くいかない場合もあると思います。
失敗も経験のひとつなので、同じ失敗をしないように反省して改善したら、恐れないでどんどんコンサルティング業務を経験していきましょう。
諦めないで続けた人が成長します。
コンサルティングでは『業際』に注意!
ご存知だと思いますが、士業の業際問題は一歩間違えると訴えられることもあります。
非常に危険です。
依頼人の相談に何でも答えれば良いというわけではありません。
業際を意識して返答するよう心がけましょう。
依頼人からの期待に応えたいと思うばかりに、行政書士としての権限を超えた案内をしては絶対にダメです。
- 税務関係なら税理士
- 紛争が発生したら弁護士
というように、状況に合わせて専門家を紹介しましょう。たとえ税理士や弁護士の知識があったとしても、資格をもたないで対応したら違法になることもありますので注意しましょう。
弁護士法72条について
今でも覚えていますが、私が行政書士になった時に、登録式で役員の先生が「弁護士法72条」の説明をしていました。とても大事な条文です。
この条文は、簡単に言うと「弁護士の資格を持っていない者が、弁護士にしかできない相手方との交渉などの業務をやると違法ですよ」というものです。
登録が終わり、行政書士となった際は、必ず弁護士法72条は読んでおきましょう。
コンサルティング業務をする際にも重要なものとなってきます。
まとめ
行政書士にもコンサルティング能力は必要です。
ひと昔前と違い、コンサルティング能力の高い行政書士が評価される時代となっています。
士業は国家資格ということで信用があります。行政書士の資格があるからこそ「できること」を意識して、コンサルティング業務を増やしていきましょう。
ただ書類を作成するだけの行政書士は、時代に置いてかれる可能性があります。
今後AI等の登場で、行政書士の業務は減っていくと言われていますが、コンサルティングを中心とした行政書士業務はなくなる可能性は低いです。