行政書士からのステップアップ【開業した私が思う相性が良い資格と注意点】

行政書士試験
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この記事を書いているのが12月です。この時期は、行政書士試験の受験生にとって、試験も終わり合格発表を待つという複雑な時期だと思います。

いろいろなことを考えてしまいますよね。
私もそうでした。

そのひとつに、行政書士試験に合格できたできた場合の進路があります。

  • 資格を活かして就職や開業をするか?
  • ステップアップして他の資格に挑戦するか?

今回は「行政書士からのステップアップ」について、開業6年目の立場から行政書士と相性が良い資格や、他の資格に挑戦する際の注意点などをお話していきたいと思います。

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行政書士からのステップアップ【相性の良い資格】

行政書士資格と相性が良いとされる資格には、次のようなものがあります。

  • 司法書士
  • 社会保険労務士
  • 土地家屋調査士
  • 宅地建物取引士
  • ファイナンシャルプランナー

個人的なおすすめは、司法書士と社会保険労務士です。
理由については、こちらの記事で解説しています。
≫行政書士からのステップアップにおすすめの資格【司法書士/社労士】

それ以外の資格についてコメントしていきます。

土地家屋調査士

表示登記の専門家です。
行政書士資格との相性は、かなり良いのでおすすめです。

土地家屋調査士業務の依頼を処理するにあたり、行政書士資格を使って必要書類を集めたりすることができるので便利です。

土地家屋調査士をメイン、行政書士をサブとして使っている人が多くいます。

私が所属している支部にも、土地家屋調査士と行政書士のダブルライセンスで開業している先生が何人かいますが、儲かっている印象があります。

試験の難易度は、行政書士より高めです。
他に「測量士」の資格も取得するのがおすすめです。

宅建士(宅地建物取引士)

宅建士も行政書士と相性の良い資格と言われています。

宅建業から発生する行政書士の仕事もあれば、行政書士業から発生する宅建士の仕事もあります。相乗効果が期待できる資格です。

とくに農地や開発行為の許認可などの行政書士業務に興味のある方は、取得をおすすめします。

行政書士試験よりは難易度低めなうえ、試験科目も共通しているものがあるので、行政書士試験で勉強した知識を活かすことができます。

不動産に関する知識は、行政書士として顧客から相談された時に役に立ちます。資格を使わなくも取得しておいて損はありません。

ファイナンシャルプランナー

行政書士の資格取得後のステップアップとして、ファイナンシャルプランナーを選択する人は多くいます。お金に関する相談にトータルにのることができるので、相性の良い資格と言えます。

私は取得しませんが、所属している支部には、ファイナンシャルプランナーの資格を持っている先生が数多くいます。私のまわりで一番多いのは宅建士を持っている先生ですが、その次あたりに持っている人が多い資格かもしれません。

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その他の資格について

行政書士資格を取得後のステップアップとして、その他、次のような資格があります。

  • 弁護士
  • 税理士
  • 弁理士

これらの資格をステップアップとして目指すのも悪くはないですが、これらの資格は、行政書士試験を受験しなくても各試験に合格すれば、行政書士登録ができます。

なので、行政書士試験を受験しないで、それぞれの資格試験に直接挑戦した方が時間も費用も節約できます。

共通科目をチェック!

ちなみに、これらの資格を目指す場合は、共通してる科目があるので、他の受験生よりは有利に勉強を進めることができます。

法律系最難関の司法試験では、民法や商法などの科目が共通しています。

連続して試験に挑戦した方が良い

行政書士資格からステップアップして他の資格に挑戦する場合は、間隔をあけないほうがいいです。

理由としては、

  • せっかく覚えた知識を忘れてしまうから
  • 勉強する習慣がなくなってしまうから

知識が習慣があるうちに、次の資格の勉強を始めれば時間が大幅に節約できます。節約できた時間でさらに勉強を進めることができれば、合格率も自然に高くなります。

実際、ネットで転がっている合格体験記などを見ると、行政書士試験合格から間隔をあけずに勉強を開始した人の多くが合格していることに気がつくと思います。

行政書士からステップアップするメリット

次のようなメリットがあります。

  • 業務の幅が広がる
  • ワンストップサービスを提供できる

当然ですが、ステップアップとして他の資格を取得すれば、そのぶん業務の幅を広げることができます。行政書士業のみの場合より広く営業することができます。

また、専門性をアピールして、他の行政書士事務所との差別化を図ることも可能です。

ワンストップサービスとは?

ひとつの依頼に対して、複数の士業が必要なことはよくあります。

しかし、自分がその資格を持っていれば、他の事務所に頼ることなく、自分の事務所だけで依頼を遂行することができます。これを「ワンストップサービス」と言います。

顧客としては、あれこれと士業の事務所に相談しに行かなくてよいので便利です。行政書士以外の資格を取得しておくと、こういったメリットもあります。

資格が増えれば成功できるのか?

上記のようなメリットがあるので、普通に考えれば成功しやすくはあります。しかし、実際のところ成功するかは「資格を使いこなせるか?」によってきます。

いくつ資格を持っていても活用できなければ意味がありませんからね。

「複数の資格を使用するバランス感覚」や「営業センス」などが必要となってきます。これがないと、どんなに需要の高い資格を持っていても、たいして稼ぐことはできません。

持っている資格の数と成功率は比例しません。

行政書士からステップアップする資格の選び方

行政書士からのステップアップする資格は「自分がやりたい仕事」や「前職の経験を活かせる」といった理由で選ぶのがおすすめです。間違っても、難易度で選ばないようにしましょう。

私は行政書士になって6年目ですが、「難易度が高い資格を持っている」「稼げる資格を持っている」という人が廃業するのを何人も見てきています。

仕事内容が自分の性格や環境に合っていないばかりに、廃業してしまった先生方です。

「将来、自分がどんな仕事で食べていきたいか?」
このあたりを、じっくりと考えてから行動に移すのをおすすめします。

行政書士の資格だけでも食える

行政書士の資格だけで開業するのが不安だからと、ステップアップして他の資格を取得するという考えてはおすすめできません。

行政書士の資格だけでも、十分に食べていくことは可能だからです。

これに関しては、登録してたくさんの行政書士と出会えばわかります。行政書士の資格だけで食べている先生は多くいますから。

まとめ

今回は、行政書士資格からのステップアップということで、開業6年目の私が思う「相性が良い資格」や注意点などをお話しました。

ステップアップすることは良いことですが、資格は一歩間違うと「資格マニア」みたいになってしまうので注意が必要です。

使わない資格は取得しても意味がありません。資格の難易度や平均年収などより、その資格を取得して何がしたいかが重要です。